クリスチャン・ディオール
原題不明
ファッションは、自分以外のものになりたいという人間の夢を、具体化するために発展したと言ってよい。
20世紀に入り、服飾デザイナーは競って奇抜なデザインの服を発表するようになった。シャネルなどはアートの域に入るが、ここまでくるともう馬鹿だ。
モデルがまるで宇宙人のように見える。魂を殻の中に隠し、人形になりきらなければこんなことはできない。長い足も霊的技術による作りものだ。きれいになりたいという女の心を利用して、馬鹿が痛いものを作ったのだ。
自分以外の何者かになりたいと願うとき、人間はまるでアンドロイドか宇宙人のようなものになる。人間の匂いを感じさせるものを、すべて拭い去ってしまう。嫌だからだ。人間が嫌だからだ。
女性のかわいい乳房が、まるでもののようだ。哀れに小さい。女性を愛で創ってくださった神の心を、ここまで愚弄したかというような形である。