マイケル・シェヴァル
原題「マリオネット」
道化というものは、存在自体が、嘘を表している。
人間世界の嘘を暴き立てようとするトリックスター的なものか、あるいは人間の嘘そのものを表す。
アルルカンはお世辞にも立派な人格ではない。派手で奇抜な衣装を着、人を馬鹿にするための棒を持ち、女にちょっかいを出しては、いやらしいことをして、人間をコケにする。それで人間の中にある、痛い矛盾の虫を刺激して、笑いを誘うのだ。
阿呆だろう、おまえは、こんなやつだろう。
そう言いながら、姑息な手で世界を飛び回り、人間を馬鹿にするために、いろいろな活動をしているのだ。
そういうものを、まるで神や王侯のように豪華に、美しいものとして描くことに、現代の表現者の発したいメッセージがあると思われる。
馬鹿なやつらを操っているのは、本当はこんなやつなのだと。