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VW不正車リコール、米所有者が「妨害」

2015-10-11 14:09:38 | ニュース

 サンフランシスコ 2015年10月8日 ロイター] - 独フォルクスワーゲンがどのような解決策を提示しようと、米国ではリコールを強制できない州があり、対象車の一部所有者がリコールに応じない可能性もある。米国では、約48万2000台が対象となる。修理されると性能や燃費が悪くなる可能性が高いため。米国で対象となるVWのディーゼル車が最も多かった3州のうち、一番多かったカリフォルニア州だけがリコールに応じない車の登録更新を認めていないが、同州に続くテキサス州とフロリダ州では、そもそもディーゼル車の排ガス基準がない。米環境保護局(EPA)によれば、車両登録に必要な排ガス検査を受ける前に、リコールに応じたという証明を求められているのは、全米でわずか17州だという。

 EPAは、残りの33州で証明が必要ないかどうかについては確認できなかった。テキサス州の排ガス点検プログラムにはディーゼル車は含まれていない。一方、フロリダ州では現在、そのようなプログラムさえない。排ガス検査を受ける必要のない州が、ほかにどれくらいあるのかも不明だという。

 一方、「この車は最高」と語るのは、フロリダ州に住むパサートのディーゼル車の持ち主だ。プライバシー上の問題からトーマスとだけ名乗るこの男性は、「ただしそれは、車の性能によるところが大きい。性能を保つためにリコールを無視するか、リコールに応じて買った当時の性能を失うか選択する立場に置かれたことに困惑している」と話す。VWファンのウェブサイト「VWVortex」では、リコールに応じさせるには顧客の前に「大きなにんじん」をぶら下げなくてはだめだと主張する所有者もいる。例えば、ロイヤリティープログラムや下取り、金銭的なインセンティブなどがそうだ。VWは先週、販売業者に対し、下取りを希望する顧客1人当たりに2000ドル(約24万円)の「ロイヤリティーボーナス」を提供すると通知した。

 その額が十分なのか疑わしいと、先に登場したフロリダ在住のトーマスさんはみている。「再販で受ける損失はそれよりもはるかに大きいだろう」EPAはVWにリコールを命じる権限をもつ。だが、リコールに応じるよう顧客に強制できる権限には限りがある。

この件についてEPAは、リコールは必ずしも車の所有者に修理を求めるものではないと、ロイターに文書で回答。自動車メーカーは四半期ごとに、リコール回収率をまとめた報告書を同局に提出しなければならないとしている。しかし、リコールに従わないことのリスクは明らかであり、「修理しなければ、連邦政府の排ガス基準を超えた有害物質が排出されるかもしれない」という。カリフォルニア州の場合、リコールに応じなければ車両の登録更新は許可されない。更新は年に1回行われるため、所有者は最大1年間は修理しないで済む。ロサンゼルス在住のデービッド・ロージングさんは「できるだけ長く待つつもりだ。ほかの人の車のバグがすべて修正され、カリフォルニア州の期日ぎりぎりに自分の車は『修理』してもらう」と語った。

 

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