「非常に遺憾に思います」

この言葉は政治家がしばしば使う言葉である。分かるような分からない言葉である。ちなみに、手元の和英辞典で引くと、いろいろ出てくる。主なものは大体次ぎのようだ。逆にこれを日本語に訳すと、右のようにある。

regrettable:残念な,遺憾な,悲しむべき,痛ましい
deplorable:嘆かわしい;ひどい
most satisfactorily:(「遺憾なく」の意)十分に、準備は遺憾なく整った。
unsatisfactory:不十分
a great pity:非常に残念
sorry:悲しい、後悔する
 
最近の事案でいえば、ロシアのトップが本来日本の領土であるクナシリに日本政府に対して入国の「手続きもなく」無断で入った。日本政府は「はなはだ遺憾だ」という意味の言葉を言った。この場合の遺憾は、上のどれにあたるのだろうか。あきらかに「抗議・非難」の意味で言っているはずである。単に、残念、嘆かわしい、悲しい、などの意味ではない。

外国の関係者は、例えば上のような日本政府のトップが言った言葉をどういう語で表現するのだろうか。前後の文脈から判断するのだとは想像できる。「抗議」されたのであれば、これに対する弁解・反論があるだろうし、単に「残念だ」の意味で「遺憾である」と言ったなら、特にコメントすることもないだろう。

日本語は難しい、とあらためて思うのだが、だからこそ、首相はじめ政府メンバーの公的発言は、あいまいでなく、はっきりとした意味の言葉を使ってもらいたいものである。


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