真田幸村という武将

子どもの頃から、真田幸村という武将は一種のあこがれに近い気持ちをもっていた。テレビもネットもない時代、子ども時代の楽しみは友人との遊びを除けば、大人のための「キング」とか「日の出」とかいう雑誌をのぞき見ることだったと記憶している。
 
これらの雑誌の中で主たる娯楽物は時代小説だった。豊臣秀吉、これにつながる武将たちは○印で、この反対の立場にいた徳川家康とその系統の武将は×印だった。理由は、昔からの言い伝えである徳川家康は狸おやじというレッテルのとおり卑怯、ずる賢い、弱い者をいじめる武将で、その行為がついには秀吉とその子などを滅ぼしていったという印象だった。
この結局はやられててしまう太閤グループを支え、最後まで志を堅持して華々しく散っていった真田幸村とその家来たちは私たち正義を愛する子どもたちのあこがれに近い尊敬すべき武将だった。
 
幸村たちは大坂の陣で家康軍に対して逆転勝利を目指しそのための秘策を豊臣側のトップに働き掛けるのだが、弱虫一派に牛耳られている豊臣秀頼に受け入れられずについに玉砕する。
真田の家来は十勇士といって、猿飛佐助とか霧隠才蔵などの忍びの者や無敵の豪傑三好兄弟たちが一丸となって活躍するというイメージを半世紀以上持ち続けてきた。
NHK大河ドラマはこの幸村が主人公で、興味をもって最終回の展開に期待しているのだが、その昔に形成されてきた真田十勇士たちの活躍ははっきりしない。というより猿飛佐助たちはそもそも架空の存在だったから当然かも知れないが…。
 
子どもの時の英雄たちはいつまでも消えることなくヒーローとして生き続けていると思うのだ。今の若者たちの心に生きるヒーローはどういう人たちだろうか。
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