「共謀罪」が成立。各紙の基調、見えない学生運動

政府与党(維新も賛同)は「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律」を改正する形で「共謀罪」を成立させた。
この採決強行は昨日15日の早朝(参議院)のことだった。このことを報じる16日の3つの新聞を比較する。

北海道新聞は、一面トップに「『共謀罪』募る危惧」と大きな見出しをもうけ「法成立 与党が採決強行」と書いている。そしてこの面に特別にスペースをとって「社説 口つぐむ国民にはならぬ」と訴えている。道新の立場はこれらの見出しだけで明確だ。社説にあるように、仮に政府与党(自民・公明・維新など)が国民の多くの不安を押さえ込んで、この法律を成立させたとしても、「物言わない(つまり権力に従順に従うような)国民にはならない」という呼びかけであり決意を示している。

朝日は、一面トップ記事は「加計問題」で「『官房副長官が指示』メール 獣医学部新設・加計有利の条件」と文科省調査関連の記事を載せ、一面左に「『共謀罪』成立 刑事司法の大転換点」と報じている。そしてこの記事に並んで「東京社会部長・長谷川 玲」名で「民主主義荒廃した姿」と政府与党の態度を糾弾している。「共謀罪の本質は、捜査当局に『テロ対策』を口実として幅広く監視を許す点にある」と補足している。

これら2紙と対照的なのはご存知のように読売新聞。一面トップの大見出しは「組織犯罪 未然に防止」であり、これに関連して「テロ準備罪法成立」と掲げる。
読売の態度は一貫して明確である。政府寄り・自民党寄りである。かつて安倍首相が憲法改訂の方針を読売に載せている旨言ったことがあるが、まさにそう言うことが何の不自然もないと思わせる記事を書いている。

これらの政治的な動きに憤りと不安を募るのだが、心配なのは例えば学生運動などがほとんど目にも耳にも入ってこないことだ。その昔、一般市民が政治への不安をもつことがあれば、常のその一歩前に学生たちの動きを見て取ることができた。今はそういうものは、少なくとも私などの目や耳には入らない。未来を担う若者たちは、ただお笑いやバラエティ番組に関心があるだけなのだろうか。そんなことはないだろうが…?
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