「八紘一宇」

八紘一宇という言葉が「再評価」されようとしている。この語は、マスコミで解説されているが、第二次大戦中に日本がアジア各地を侵略し、日本の勢力を拡大しようとしていたときに使われた理念だ。世界は日本の天皇の御稜威(みいつ。威光というような意味)のもとで発展するという、まさに侵略政策の旗印にした言葉だ。

これを自民党の三原じゅん子参議院議員が、参院予算委員会で「日本が建国以来掲げてきた価値観」とうたった。

たしかにこの語の意味は世界はみな助け合おうというようなニュアンスがなくはない。しかし上に記したようにそもそもは日本の天皇をトップ(東亜の盟主)とした新しい秩序という意味になる。

そういう歴史的意義をもつ言葉を、今になって「日本の建国以来の理念」などと言い出したら、アジア各国からまたまた「反日」意見が高まることは「火を見るより明らか」と思うのだがどうだろうか。

ある単語がもつ前後の意味をヌキにして、我田引水的に強調する政治的リーダーの意図は何なのだろうか。口を開けばアジアの近隣諸国と「未来志向」原則に基づく友好関係を、などと言っていながら、またまた逆なですることにならないのか。

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