「合従連衡」

新しい代表がきまったらすぐこの党を解散し、別の党に吸い込まれるように吸収され消えてしまった民進党。この党の動きに関連して、「合従連衡」の見本のように説明される。
懐かしいこの4字熟語が思い出された。これは「がっしょうれんこう」と読む。漢文に興味のある御仁ならかつていつの日にか接したことがあるのではないだろうか。

おおよそ次のような説明がある。
『中国、戦国時代の外交政策。合従とは「南北を連合させる」の意であり、紀元前4世紀末、燕(えん)に仕えた蘇秦(そしん)(?―前317)が、趙(ちょう)、韓(かん)、魏(ぎ)、斉(せい)、楚(そ)の諸国にそれぞれ説いて、6国で南北に連なる同盟を実現させ、西方の強国秦(しん)に対抗した政策をいう。蘇秦はまもなく6国の宰相を兼ね、連合軍を組織して秦を攻めたが敗れた。しかし、この連合のため秦は十数年間、東方進出を阻まれた。連衡とは「横に連ねる」の意であり、蘇秦と同門の張儀(ちょうぎ)(?―前309)が組織した同盟である。張儀は秦の宰相となり、合従を破って東方の6国をばらばらにし、いずれかの国と秦と個別に同盟を結ぶことによって、孤立した他の国々を別々に威圧、攻撃する方針をとった。秦と他の6国がそれぞれ東西に結ぶことからこうよばれる。しかし、まもなくこの策も破れて張儀は失脚した。蘇秦、張儀はこのような外交策を弄(ろう)した弁説家であるため、「縦横家(じゅうおうか)」とよばれている。[太田幸男]』。

目下の敵に対抗するために、これまでのいきさつやしがらみを別として同盟を結び、さしあたりの敵に対するというような場合に使う。
だからこの策がうまくいかなければ「敵」であった者とも手を結ぶ、なりふりかまわず策略を講ずるようなケースを表現する言葉だ。希望の党は、今後また別のグループと手を結び、自分の生きる道を模索するのだろう。鶏口となったり牛尾になったり、あしたはあしたの風が吹く、というような意味とはちょっと違うのだろうが、当たらずといえども遠からず、という感がする。

これからしばらくはこの話題の党とまた別の党の動きなどから目を離すことができないかも知れない。政治は(無責任のそしりを受けても)面白い。
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