来し方、行く末に思いを続けて…
日記 … Kametarou Blog
「奥の細道」に惹かれて(2)
東北の旅の3日目(最後の日)は日本三景のひとつ「松島」だった。「松島や、ああ松島や松島や」と誰かが歌ったと聞いていたが、特別な人ではなく、誰もが感嘆する松島の絶景を叫んだのだろう。
この地も人また人。景色を見て感嘆するという余裕はなかった(?)。
それでも私たちのグループは湾内をクルージングしながら、自然の造形の奇跡を愛でる幸いを感じていた。
「奥の細道」で芭蕉もまた松島をこう賛嘆している。
「(言い古されているのだが)松島は日本一の景勝地だ」と芭蕉はいう。そして松島湾の島と波の様子を最善の麗句を用いて美化する。そもそも芭蕉が旅に出ようと思うきっかけは松島を想像したからだった。
「其気色杳然として、美人の顔(かんばせ)を粧(よそほ)ふ。ちはや振神のむかし、大山ずみのなせるわざにや。造化の天工、いづれの人か筆をふるひ詞を尽きさむ」。
その気色の奥ゆかしさは何と表現してよいか、あたかも美人がさらに化粧して美を重ねていると言っていいのか。はるかの昔、造化の神が仕上げた技なのではないだろうか。筆と詞を尽くしても言い尽くすことはできないだろう。
そういうように芭蕉は言っていた。そして弟子の曽良の句を掲げている(どうして自分の句を掲げなかったのだろうか)。
松島や鶴に身をかれほととぎす
(松島では、ホトトギスよ、鶴に姿を変えて飛んでくれないか)
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