「大東亜戦争」という語

大日本帝国は、1931(昭和6)年から始まる「十五年戦争」(満州事変から第二次大戦敗戦まで)を「大東亜戦争」とよんでいた。アジアは日本が領導する「大東亜共栄圏」であり、これを実現する戦争だから大東亜戦争というわけだ。

しかし戦後この呼称はやめにして太平洋戦争とか「十五年戦争」などという言い方になっている。教科書が基本。
最近、陸上自衛隊が旧ツイッターへの投稿で「大東亜戦争」の表現を使ったとのこと。これを知った中国外務省が「『中国を含むアジアの国民感情をひどく傷つけた』と批判し、『日本の軍国主義が侵略戦争を引き起こし、地域に災難をもたらした』とも主張した。」

日本大百科全書によると、大東亜戦争は「太平洋戦争に対する当時の日本指導者層による呼称」とされる。

今、日本でどうも100年近く前からの大日本帝国の戦争政策を懐かしむ傾向が復活しかかっているのだろうか。こういう旧い時代の語句が出てきたり、賛美することすらあるのではないか、と怖れる。自衛隊の誰かが、あえて使ったのかも知れないが、憲法の理念をもう一度読み直してみるべきだ。

憲法前文の一部だ。
日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚す
るのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持
しようと決意した。

日本がアジアを「大東亜」とよび、日本がこれを支配して大東亜の平和と繁栄をつくる、という大ほらを反省して今の憲法をつくったのだから。
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