閑話休題 … 「いけにえ」

宮城谷昌光という歴史小説を得意とする作家がいる。この人のエッセイ集で「史記の風景」がある。「史記」とは、日本でいえば弥生時代の初めころか、米づくりがはじまったころ、中国で司馬遷という人が編集した歴史書。宮城谷さんがこの史記その他について記している。
そのひとつ、「いけにえ」について。

中国の歴史が始まったころ、「商王朝」と言う時代のこと。東の天に向かって火まつりを行って雨ごいをする、その時の祈り。
「東の天にむかって、三匹の豚、三匹の羊を火まつりにし、犬の肉をそぎ落として燃やし、黄牛を二つ裂きにして祈ったらよろしい」と。動物にランクをつけると牛が最上位、次が羊なのだそうだ。なぜか、宮城谷さんが説明することによると、牛や羊の肉が美味い(美味)だから、天の神もそれを喜ぶはずだ、という。

今、私たちのまわりの「焼き肉」用にあがる動物は、牛や豚や羊だから、これははるか昔からの人間の習わしだったのだ。神が喜ぶ肉だから俺たちもご相伴にあずかろう、という意味かな。
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