札幌市「子どもの権利条例」


札幌市は「子どもの最善の利益を実現するための権利条例」(子どもの権利条例)を、平成20年に制定した。この条例は、1989年に国連が採択した「子どもの権利条約」の精神を受け継ぐものである。

この条例は「子どもは、社会の一員として尊重され、大人とともに札幌のまちづくりを担っていきます。子どもが参加し、子どもの視点に立ってつくられたまちは、すべての人にとってやさしいまちとなります」という前文にあるように、子どもが大切にされることが町づくりの第一歩だと謳っている。子どもの「育ち学ぶ施設」が言われているが、この施設には当然のことだが、フリースクールも含まれる(「条文解説」)。

教育行政は、おうおうにして「子どもは全員学校に通う」ことを前提としており、いわゆる不登校の子どもは例外的な存在であるから、どうしたら学校復帰を行うことができるか、だけがテーマになっている。しかし「子どもの権利条例」は、すべての子どもが自分にとっての「最善の利益」を保障することを言っているわけだから、仮にどうしても学校に行くことになじめない子どもがいれば、そのような子どもにとって必要な「育ち学ぶ施設」を保障することを、市の責任になる。
私たちが市長宛の政策提言を行う趣旨は、昨日も記したが、このような立場だ。

日本も子どもの権利条約を批准しているのだが、実際には子どもが大事にされているのだろうか。子育てが難しい、とことあるごとに言われるのだから、あまり広がっていないのではないか。だから札幌市が条約を活かした条例をつくり、この趣旨を一歩一歩活かした政治を進めていくことは、札幌市が未来に生きる町になっていくことに通じる。
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