というのもおこがましいかもしれないけれど、
底抜けに暗いところは、そうかもしれない。
物事を明るく考えられないところがある。
というのも、私には、そうなる事情もあったと思う。
が、私の母は、ある意味、私より苦労したかもしれないけれど、暗くならない人であった。
それだけじゃなく、とてつもなく強い人でもあった。
私は、その反動なのか、すぐに暗くなる人間である。
回りまで暗くするかもしれないから、そこがブラックホールなのだ。
思い出してみれば、私の父にそういう傾向があったかもしれない。
が、父は、私のように難聴であったわけでもないし、身体は健康であった。
が、性向は暗かったと思う。
私の兄は、お酒の飲みすぎで亡くなったが、私と比べると明るかったかもしれない。
兄は、私よりずっと頭がよかったはずなのに、どういうわけか見境のないところがあった。
お酒の飲みすぎで腎臓を悪くして亡くなったことからもわかると思うが、
子供のころは、お正月にお年玉をもらったら、全部をクジに使ってしまったりして、
父方の祖父に呆れられたりしたこともあった。
父の家系は堅実を旨とする一族であったから、
祖父の孫たちは、皆、
お年玉をもらってもすぐには使わないで大事なときにおいておくという子供たちであった。
その中で、私の兄だけが、お正月早々、駄菓子屋に行き、全部クジに使ったのだった。
兄は、その後も、大学生のころ、
親の仕送りは少なかったはずなのに、
私が上京したとき、
私と私の友達を連れて、銀座のマキシムという高級なお店に連れて行ってくれたりした。
そのあとで、お金で困って、手紙で、私にお金を貸してと言ってきたことを覚えている。
なら、そんな高級なお店にいかなければいいのにと思ったが、兄はそういう人だった。
見方によれば、バカとも言えたかもしれない。
私は、子供の頃から、そんな無鉄砲なことはしなかった。
が、その代わり、兄と比べたら、暗いところがあったかもしれない。
われながら、そこまで暗くならなくてもいいと思うくらい暗くなることがある。
いったん気持ちが落ちてしまうと、自分で這い上がれないくらい落ちてしまう。
だから、ブラックホールなのだ。
しかしブラックホールも悪いばかりじゃない。
暗さの極にいるから、明るさに対する感受性が磨かれるというようなところがある。
いつも明るいところにいたら気づけない、明るさの魅力を感じられるのは、
私のようなブラックホールかもしれないと思ったりもするのだ。
話が抽象的になったから理解されないかもしれないが、影が濃いから光が眩しいのである。
*
☆このたびはブラックホールが写せたと嘘ではあらぬ真(まこと)の写真
☆光すら引き込まれると言われゐる引力強きブラックホール
☆暗さならわれもブラックホール並み人を引き込むほどの強さぞ
底抜けに暗いところは、そうかもしれない。
物事を明るく考えられないところがある。
というのも、私には、そうなる事情もあったと思う。
が、私の母は、ある意味、私より苦労したかもしれないけれど、暗くならない人であった。
それだけじゃなく、とてつもなく強い人でもあった。
私は、その反動なのか、すぐに暗くなる人間である。
回りまで暗くするかもしれないから、そこがブラックホールなのだ。
思い出してみれば、私の父にそういう傾向があったかもしれない。
が、父は、私のように難聴であったわけでもないし、身体は健康であった。
が、性向は暗かったと思う。
私の兄は、お酒の飲みすぎで亡くなったが、私と比べると明るかったかもしれない。
兄は、私よりずっと頭がよかったはずなのに、どういうわけか見境のないところがあった。
お酒の飲みすぎで腎臓を悪くして亡くなったことからもわかると思うが、
子供のころは、お正月にお年玉をもらったら、全部をクジに使ってしまったりして、
父方の祖父に呆れられたりしたこともあった。
父の家系は堅実を旨とする一族であったから、
祖父の孫たちは、皆、
お年玉をもらってもすぐには使わないで大事なときにおいておくという子供たちであった。
その中で、私の兄だけが、お正月早々、駄菓子屋に行き、全部クジに使ったのだった。
兄は、その後も、大学生のころ、
親の仕送りは少なかったはずなのに、
私が上京したとき、
私と私の友達を連れて、銀座のマキシムという高級なお店に連れて行ってくれたりした。
そのあとで、お金で困って、手紙で、私にお金を貸してと言ってきたことを覚えている。
なら、そんな高級なお店にいかなければいいのにと思ったが、兄はそういう人だった。
見方によれば、バカとも言えたかもしれない。
私は、子供の頃から、そんな無鉄砲なことはしなかった。
が、その代わり、兄と比べたら、暗いところがあったかもしれない。
われながら、そこまで暗くならなくてもいいと思うくらい暗くなることがある。
いったん気持ちが落ちてしまうと、自分で這い上がれないくらい落ちてしまう。
だから、ブラックホールなのだ。
しかしブラックホールも悪いばかりじゃない。
暗さの極にいるから、明るさに対する感受性が磨かれるというようなところがある。
いつも明るいところにいたら気づけない、明るさの魅力を感じられるのは、
私のようなブラックホールかもしれないと思ったりもするのだ。
話が抽象的になったから理解されないかもしれないが、影が濃いから光が眩しいのである。
*
☆このたびはブラックホールが写せたと嘘ではあらぬ真(まこと)の写真
☆光すら引き込まれると言われゐる引力強きブラックホール
☆暗さならわれもブラックホール並み人を引き込むほどの強さぞ