超空洞からの贈り物

様々なニュースや日常のレビューをメインに暗黒物質並に見つけ難い事を観測する、知識・興味・ムダ提供型共用ネタ帳です。

オランダ、キンデルダイクの風車群

2009年09月12日 11時21分20秒 | 自然
 オランダ、2009年9月7日。今週、歴史あるキンデルダイクの風車群に新風が吹き込まれた。例年実施されるイルミネーションイベントに、エネルギー効率に優れたLEDが導入されたのだ。

 ユネスコ世界遺産にも登録されているこの風車群は1740年頃に建造され、“ポルダー”と呼ばれる地下水位の低い干拓地の灌漑設備として重要な役割を担っている。“キンデルダイク”(こどもの堤防)という名は、1421年に起こった洪水で、水が引いた後に赤ん坊を乗せたゆりかごが堤防の上で見つかったという逸話に由来するという。1匹の猫が、その赤ん坊が落ちないようにバランスを取っていたとも言われる。

聖書時代の謎の石製カップを発見

2009年09月12日 09時30分55秒 | サイエンス
画像は、イスラエルの首都エルサレムで発見された聖書時代のカップの破片。宗教儀式に使われたものと考えられ、表面には2つの言語を混ぜ合わせたと思われる文字列が深い掘り込みと浅い切り込みで刻まれている。2009年夏にこの石製カップを発見した発掘チームによると、この文字列は暗号文の可能性があるという。

以下、詳細。

それは一見したところ、ただの壊れた泥まみれの石製のカップにしか見えなかった。しかし、発掘チームが洗浄作業を進めると、表面に10列の謎の文字列が刻みこまれていることが判明した。このカップは2000年前のもので、イスラエルの首都エルサレムで発見された。

 発掘チームのリーダーでノースカロライナ大学チャペルヒル校のシモン・ギブソン氏は次のように話す。「石のカップ自体は当時のユダヤ人家庭ならどこにでもあるありふれたものだ。しかし、石のカップに文字が刻まれているのは初めて見た」。

 この文字列を解読できれば、イエス・キリスト時代のエルサレムの日常生活や宗教儀式を解明する手掛かりが得られると考えられる。

 発掘チームは2009年夏、ダビデ王墓や「最後の晩餐(ばんさん)」で歴史的に有名なエルサレム旧市街のシオン山の調査を続けていた。そして、宗教儀式に関連する小さなため池のそばで問題のカップを発見した。発掘現場は当時の上流階級の居住区域で、近くにはヘロデ大王の宮殿があった。ヘロデ大王はキリスト生誕の直前にイスラエルを統治していた人物である。

「周囲の遺跡や出土品から判断すると、このカップの作成年代は紀元前37年から紀元70年の間と考えられる。紀元70年代にはユダヤ人の反乱に対抗してローマ人がエルサレムを壊滅状態に追い込むが、それ以降のものとは考えられない」とギブソン氏は話す。

 今回の発掘ではほかにも、ソロモン王がエルサレム神殿を築いた紀元前970年ごろから、第1回十字軍によりエルサレムが破壊された紀元1099年まで、さまざまな年代の遺跡が発見されている。

 刻まれた文字列がなければ、今回のカップは決して異例な出土品ではないという。3つの破片に割れており、状態が良かったわけでもない。このような石のカップは当時のユダヤ人の間に広く普及していた。これには不浄のものを避けるという宗教上の原則が大きく関係している。

 現在でもユダヤ教徒の中に「カシュルート」と呼ばれる厳格な食事規定を守る人がいるように、キリスト時代のユダヤ人も食事と飲み物に関して複雑な掟(おきて)に従っていた。言い伝えによると、陶器製のカップの場合、禁じられた食物に触れてけがれると破壊するか廃棄する必要があったという。

「しかし石は宗教上、不浄にならないとユダヤ人の掟では定められている」と、同じくノースカロライナ大学チャペルヒル校の考古学者ジョディ・マグネス氏は話す。同氏は聖書時代のエルサレムの日常生活を専門としている。

「長期的にみれば、不浄を避ける原則を守ろうとすると、石のカップを使うのが経済的だ」。特にエルサレムでは石の方が経済的だった。この地域ではどこを掘っても軟らかい白亜質の岩石が産出するので、簡単に加工して石のカップを生産することができた。エルサレムはその中心地だったのである。

 手彫りで成形しただけの粗野な石のカップは現代のビールジョッキに似ているが、その用途に関して研究者の意見は割れている。理由の一つとして、飲み物が飲みにくいという点がある。発掘チームのリーダーのギブソン氏は、「個人的には、食事の前に手を清める儀式に使っていたものだと考えている」と話す。

 さて、今回発見されたカップを特別な存在にしているのは、表面に刻まれた文字列である。深く刻み込まれた溝はいまでもはっきりと識別可能だが、現在のところ何が書いてあるのかは解読できていない。

 意図的に謎めいた書き方がなされていた死海文書と同じように、このカップの文字列もどうやらある種の暗号のようだ。当時のエルサレムで使われていた2つの書き言葉であるヘブライ語とアラム語を混ぜ合わせて書かれている。「刻まれた文字列は意図的に読めないように書かれている」とギブソン氏は話す。

 同氏の発掘チームは、文字列の解読に向けて、この時代の文字を専門とする世界中の研究者に対してカップの写真を送付した。 また、カップや文字列の詳細な写真をオンラインで公開する準備も進めているという。

 ギブソン氏は次のように話す。「文字列を刻んだのがどのような人物なのかはわからないが、その人物には何か胸に秘めた思いがあり、とにかく誰にも知られたくなかった。それは間違いない。書かれた内容はカップの使い方に関する儀式手順かもしれないし、まじないや呪いの言葉かもしれない。いずれにせよ買い物リストといった世俗の事柄ではないことは確かだ」。

物質の新たな状態を生むレーザー技術

2009年09月12日 09時08分41秒 | サイエンス
この赤外線画像は、レーザーによって冷却されたガスの温度(青)と、ガスを取り囲む金属の温度(赤と黄)の変化を示している。特殊なレーザービームを30秒間振動させると、ガスの温度が周囲に比べて低下した。

空想科学小説に多く登場する破壊兵器といえばレーザービームだが、現実では加熱や切断といった用途に限られている。ところが、従来の物理学の常識を覆す研究が発表され、レーザー技術が新たに脚光を浴びている。

ドイツにあるボン大学のマルティン・ヴァイツ氏とウルリッヒ・フォーグル氏は、レーザーによって、凝固点をはるかに下回る温度まで高密度ルビジウムガスを冷却することに成功した。

 レーザーを使用した急速な”過冷却”がこれまでに成功した例は、極めて低密度ガスの場合だけだった。

 アメリカ国立標準技術研究所(NIST)でレーザー冷却を研究する物理学者トレイ・ポルト氏は、この研究報告を受け、次のように話している。「この方法を活用すれば、対象にレーザーを照射することで、原子だけでなく肉眼で見える大きさの物質も冷却することが可能だ」。

 ヴァイツ氏とフォーグル氏によると、この技術によって、物質の新たな状態を生み出すことが可能になるかもしれないという。

「例えば水だ。もし0度をはるかに下回る温度まで急速に冷却できれば、通常通り氷に変化するのではなく、異種の結晶構造やガラス状の状態に変化する可能性がある」。

「この技術は天体観測にも活用できる。天体観測用の撮像装置をこの技術で冷却すれば、ノイズを減らして感度を上げることができるだろう」と、ヴァイツ氏は付け加えている。

 レーザーの色は波長によって変わるが、今回の実験では、原子が互いに衝突する場合にのみレーザービームが作用するよう振動数が調整された赤色レーザー光が用いられた。

 ヴァイツ氏とフォーグル氏は、高圧のアルゴンで満たされた空間で、気体状のルビジウム原子にレーザーを照射した。不活性ガスであるアルゴンは、他の原子との反応が起きにくい。一方、ルビジウム原子は、アルゴン原子と衝突した際のごく一瞬の間に、レーザーの光子を吸収することができるとポルト氏は説明する。

 吸収された光子は、強力なバネのように作用して2つのルビジウム原子を結びつける。この弱い結びつきが、2つの原子が分離するのを遅らせる。

 しかし、バネが伸びてこの結びつきが壊れると光子が放出され、割れた蛍光灯のように光が散乱する。その際、原子の動きを抑制するために用いられた分のエネルギーも放出された光子とともに失われるため、最終的にはレーザーが注入した量を上回るエネルギーが奪われることになり、これがルビジウムガスの温度を低下させるのだ。

 この実験では、ルビジウムガスの温度を摂氏350度から摂氏280度にわずか数秒で低下させることに成功した。詳細は先週発行された「Nature」誌に掲載されている。

「このレーザー冷却技術を実用化するには、まだ多くの研究が必要だ」と、ヴァイツ氏は言う。しかしNISTのポルト氏は、この研究を「低密度のガスを冷やす従来の技術からの大きな飛躍」と評価している。従来の冷却技術は現在、量子効果の研究や原子時計のサンプルとなるガスを作るために用いられている。

「この新たな冷却処理は、高密度でメカニズムもまったく異なるガスを使用して実現された点が素晴らしい。これまでの技術の限界を考えると、レーザーによって物質の温度をここまで下げられるとは実に驚きだ」。

水道管破裂で消防車水没

2009年09月12日 08時23分38秒 | 経済・経営・社会
 アメリカ、カリフォルニア州ロサンゼルス、2009年9月8日。ロサンゼルス市郊外にあるサンフェルナンド・バレーの水道管破裂現場。出動した消防車の前部が路面陥没の穴にのみ込まれた。隊員らは無事に脱出し、幸いけがもなかった。

 ロサンゼルス郡では8月下旬に発生した山火事で、消防隊員2名が殉職している。「Los Angeles Times」紙によると、郡内で発生した火災としては史上最悪の惨事だったという。

「かぐや」、月の地質学に一石を投じる

2009年09月12日 08時14分03秒 | 宇宙
上記画像は、対象調査場所のクレーターと、マルチバンドイメージャによる純度の高い斜長岩の分布調査の結果

月周回衛星「かぐや(SELENE)」が、69個の月面クレーターを調べ、月の高地の地殻に、これまで推定されていたよりも純度の高い斜長岩が分布していることを明らかにした。



上記画像亜h、マルチバンドイメージャのデータから作成されたジャクソンクレーターの鳥瞰図。青く見えるのが純度の高い斜長岩で、斜面の傾きが大きなところにだけ純度の高い斜長岩が露出している。


月の高地の地殻は、月形成の後に高温となり溶けた溶岩の海(マグマオーシャン)から他の鉱物より軽い斜長石が結晶化し、浮かんで形成されたと考えられている。これまでは、斜長石だけでなく輝石およびかんらん石も結晶化すると考えられることから、月の高地の地殻は斜長石90%とそれ以外の鉱物10%からできていると推定されてきた。

月周回衛星「かぐや」に搭載されているマルチバンドイメージャ(MI)の観測機器チームは、月面にあるクレーター69個を調べ、月の高地の地殻には、これまでの推定よりもはるかに純粋な、ほぼ100パーセントの斜長石から成る斜長岩(※)が広く分布していることを、世界で初めて明らかにした。つまり、ほぼ1種類の斜長石だけから地殻物質が形成されたことが示されたのである。

純度の高い斜長岩から成る地殻を生成するメカニズムとしては、マグマオーシャンから斜長石が結晶化するときに取り残されたマグマが下から浮揚する他の斜長石結晶に押しだされる、というものが考えられている。他にも、地球上で純粋な斜長岩が作られるのと同じような変形作用による可能性もあるという。

なお、アポロ計画で持ち帰られた月の岩石サンプルの中には、純度の低い斜長岩がある。その理由は、月のごく表層が隕石の衝突などによりかき混ぜられたためか、もしくは地殻の中に部分的に少し純度の低い斜長岩があるためではないかと考えられている。

今回の「かぐや」の成果は、従来の考え方とは異なる、斜長石だけが効率的に集まるような、月の高地の新たな地殻生成メカニズムの必要性を迫る結果となった。この成果は、英科学雑誌「ネイチャー」9月10日号に掲載された。

※斜長岩:カルシウム、アルミニウム、ケイ素と酸素より成る斜長石という鉱物を多く含む、白い火成岩。

タミフル耐性新型インフル、人から人へ感染?

2009年09月12日 08時06分38秒 | Weblog
米疾病対策センター(CDC)が週報で発表。

 タミフルを製造しているスイスの製薬大手ロシュによると、耐性ウイルスは日米などで7日までに13件が報告されているが、いずれのケースも1人の患者から検出されただけで、周囲への感染は確認されていなかった。

 CDCは、健康な成人にタミフルを事前に飲ませる「予防的投与」など、耐性ウイルスの出現をまねく過剰使用を控えるよう呼びかけた。

 CDCの報告によると、米ノースカロライナ州でキャンプに参加していた10代の少女が7月8日、インフルエンザの症状を訴えた。同じ小屋に泊まっていた別の少女も11日に発熱、2人からタミフルに耐性を持つ新型ウイルスが検出された。

 キャンプ場では、6月から新型インフルが流行、発症していない子供や職員計600人以上が、感染予防のため10日間、タミフルやリレンザを服用した。

 2人は、タミフル服用中にもかかわらず発症したため、医師が耐性ウイルスを疑い検査した。キャンプ場では、ほかにも6人がタミフル服用中に発症。最初の少女からもう1人へ感染したか、別の患者から2人に感染したものとみられる。

なぞの天体の正体とは?

2009年09月12日 08時01分05秒 | 宇宙
画像は、大質量の白色矮星(RXJ0648)と恒星HD 49798の想像図。

ヨーロッパ宇宙機関(ESA)のX線観測衛星XMM-Newtonによる観測で、1997年に発見されたX線天体が、大質量の白色矮星であることが明らかとなった。この天体は13秒の周期で自転しており、これまでに知られている白色矮星の中では最速である。

1997年に、とも座の8等星HD 49798の近くに13秒の周期で規則正しく変化するX線を放つ天体が発見されたが、その正体はわからなかった。イタリア天体物理・宇宙物理研究所(INAF-IASF)ミラノ事務所のSandro Marghetti氏らは、ESAのX線観測衛星XMM-Newtonを使った観測で、この天体が13秒周期で自転する白色矮星であることを明らかにした。

白色矮星のほとんどは、地球くらいの大きさで太陽の0.6倍ほどの質量を持つ。しかし、この白色矮星の質量は太陽の1.3倍もある。その理由は、HD 49798から取り込んだガスが降り積もったためだと考えられている。また、13秒という自転周期は、これまでに発見されたどの白色矮星よりも速い。

白色矮星に別の星から物質が流れ込み、質量が太陽の1.4倍に達すると、暴走的核融合が起きて超新星爆発を起こす。今後数百万年のうちに、この白色矮星は吹き飛んでしまうか、つぶれてさらに密度の高い天体になると考えられている。

爆発による影響は地球には及ばないが、われわれの子孫は、夜空で満月ほどの明るさを放つ星を見ることになるだろう。また、その姿は昼間でも肉眼で観測できるほどと予測されている。XMM-Newtonは、そんなドラマが始まる現場を現代のわれわれに見せてくれたのである。

ESAより

天の川銀河の将来

2009年09月12日 07時56分50秒 | 宇宙
天の川銀河のような渦巻き銀河と大小マゼラン雲のような伴銀河との間で起きる衝突のシミュレーションで、天の川銀河の将来の姿が再現された。

銀河は衝突を繰り返して進化し続けてきたと考えられている。また衝突によって銀河が破壊されたり、接近で形が大きく変化したりすることもある。影響はそれほど大きくないにしても、銀河はそのまわりを回る伴銀河と衝突することもある。将来われわれの天の川銀河は、伴銀河との衝突でどんな影響を受けるのだろうか。

米・オハイオ州立大学のStelios Kazantzidis氏らの研究チームが、天の川銀河のような渦巻き銀河と銀河のまわりを回る大小マゼラン雲のような伴銀河との間で起きる衝突のコンピュータ・シミュレーションを行い、衝突がそれほど恐ろしいものではないことを示した。

すべての銀河は、巨大なダークマターのハローに取り囲まれている。ハローとは、銀河のまわりを球状に取り巻く構造のことである。ちなみに、直径が約10万光年ある天の川銀河のまわりには、その10倍にあたる、直径100万光年の領域に広がるダークマターのハローが存在する。さらに、ダークマターは巨大な網の目状の構造を成しており、大きな銀河は構造の交わる領域に集まっている。一方、小さな伴銀河も、ダークマターに支配されていて、糸にそって動き、大きな銀河の重力に引き寄せられて、そのまわりを回っている。

シミュレーションの結果、伴銀河が渦巻き銀河に落ち込みながら徐々に破壊されて、やがて渦巻き銀河の一部となることで、円盤の縁が膨み、銀河の周囲に輝く星のリングが形成されたという。そのため、衝突後の渦巻き銀河は、外縁部に密度の低いリング状の構造が見られ、円盤は膨れあがったように見え、そのほか棒構造、円盤上方には繊維状の構造も見られた。この姿は、われわれの天の川銀河の現在の姿にとてもよく似ているという。また、星から成るリングはこれまで多くの渦巻き銀河のまわりに観測されている。

Ohio S.U.より