世界最大の地球外用パラシュート

画像は先月から今月にかけてNASAのエイムズリサーチセンターの風洞実験施設で実施されたNASAの次世代火星ローバー「Mars Science Laboratory（マーズ・サイエンス・ラボラトリー）」の大気圏減速用のパラシュートの展開実験の模様を撮影したもの。

　NASAではMSLに搭載予定のこのパラシュートは惑星探査機に搭載されるパラシュートとしては史上最大のものだと説明している。

　マーズ・サイエンス・ラボラトリーは本来であれば年内の打上げが予定されていたが、探査機本体の大型化に伴い、火星の大気圏での減速を行うことが困難となり、次の打上げのチャンス（地球と火星は2年ごとに最接近を繰り返すため、打上げのチャンスを逃がすと次の打上げまで2年間待たなければならなくなる）となる2011年まで打上げが延期された。

　マーズ・サイエンス・ラボラトリーの地上探査機の重量は800キロ。たった800キロの重量物を火星に軟着陸させることも技術的には非常に困難なのが実情。

　NASAのジェット推進研究所で火星探査機の着陸システムの研究開発グループでは、技術的に有人火星探査機を現在技術で開発することは困難だとも認めている。

　とはいうものの、ある意味。これは当然だ。なにしろ、NASAの計画によると次世代有人宇宙船の完成が2015年、有人月探査の実施が2020年頃としており、それらに続く有人火星探査計画の実施は今のところ2060年頃となる予定だからだ。

　2060年というと今から半世紀先の話となる。