昨年5月25日の火星着陸以来、5ヶ月超に渡って火星の土壌や大気などの科学探査活動を継続してきたNASAの火星探査機「フェニックス」が着陸直後のSol8(着陸8日目)からSol44(着陸44日目)までに撮影した着陸船のハードウェア状態検査用の低解像度映像に液体の水(liquid water)が写っていたことが「月と惑星学会(Lunar and Planetary Institute)」を通じて発表された研究グループの論文により明らかとなった。
この「新発見」を行ったのは「フェニックス」の観測データの解析研究を進めているNASAのジェット推進研究所、アリゾナ大学、およびドイツのマックス・プランク研究所の研究者で構成された共同研究グループ。
研究グループは「フェニックス」が撮影した「フェニックス」の足部分を定点撮影した映像を分析することによって、足部分に液体の泥状の水滴が付着し、1ヶ月超の時間経過と共に下に流れ落ちていったことを突き止めることに成功した。
「フェニックス」が着陸地点が夏期に入る頃を見計らって火星の北極に着陸。しかし、夏といって火星の北極ということもあり、昼間の最大温度でも摂氏マイナス20度、夜間は摂氏マイナス80度にも冷え込むという極限の環境。また、火星の大気圧は地球の0.75%しかなく、一般常識から判断すると火星上に液体の水が存在し得たとしても直ぐに昇華するか、凍結して固体化し、長期間に渡っては液体として存在することはできないと考えるのが普通。
これに対して、研究グループではこの液体は「フェニックス」が着陸時に噴出したエンジンの圧力で地盤が掘り下げられ土壌が舞い上げられて着陸船の足に付着したのではないか、とした上で、土壌の塩分濃度が非常に濃かったため、大気中の水蒸気を吸収して泥状の液体に変化。塩分濃度が非常に濃く一種の不凍液なような状態となっていたことが、摂氏マイナス20度という極限環境下でも長期間にわたって凍結、固体化しなかった原因ではないかとまとめている。
2006年にはNASAの観測衛星「マーズ・グローバル・サーベイヤー(Mars Global Surveyor)」の画像解析を担当しているマリン・スペース・サイエンス・システムズ(Malin Space Science Systems)の研究者も火星のクレーターに最近撮影されたとする流水の跡らしきものを発見し論文発表したことがあったが、その後、学界では流水の可能性を否定する論文も発表されるなど液体の水が存在に関しては否定的な意見が支配的だった。
この研究発表に関して他の研究者の間からは可能性としてはあり得るがそれでも液体でいられるのは日中だけで夜間においては凍結していたのではないか、とする声や、また、それだけ塩分濃度が高ければ例え液体の水が存在したとしても生命が存在し得る可能性は少ないだろう、といって声がでている。
この研究成果の詳細はテキサス州ヒューストンで3月に開催予定の「月と惑星学会年次総会(Lunar and Planetary Science Conference)」で発表予定。
この「新発見」を行ったのは「フェニックス」の観測データの解析研究を進めているNASAのジェット推進研究所、アリゾナ大学、およびドイツのマックス・プランク研究所の研究者で構成された共同研究グループ。
研究グループは「フェニックス」が撮影した「フェニックス」の足部分を定点撮影した映像を分析することによって、足部分に液体の泥状の水滴が付着し、1ヶ月超の時間経過と共に下に流れ落ちていったことを突き止めることに成功した。
「フェニックス」が着陸地点が夏期に入る頃を見計らって火星の北極に着陸。しかし、夏といって火星の北極ということもあり、昼間の最大温度でも摂氏マイナス20度、夜間は摂氏マイナス80度にも冷え込むという極限の環境。また、火星の大気圧は地球の0.75%しかなく、一般常識から判断すると火星上に液体の水が存在し得たとしても直ぐに昇華するか、凍結して固体化し、長期間に渡っては液体として存在することはできないと考えるのが普通。
これに対して、研究グループではこの液体は「フェニックス」が着陸時に噴出したエンジンの圧力で地盤が掘り下げられ土壌が舞い上げられて着陸船の足に付着したのではないか、とした上で、土壌の塩分濃度が非常に濃かったため、大気中の水蒸気を吸収して泥状の液体に変化。塩分濃度が非常に濃く一種の不凍液なような状態となっていたことが、摂氏マイナス20度という極限環境下でも長期間にわたって凍結、固体化しなかった原因ではないかとまとめている。
2006年にはNASAの観測衛星「マーズ・グローバル・サーベイヤー(Mars Global Surveyor)」の画像解析を担当しているマリン・スペース・サイエンス・システムズ(Malin Space Science Systems)の研究者も火星のクレーターに最近撮影されたとする流水の跡らしきものを発見し論文発表したことがあったが、その後、学界では流水の可能性を否定する論文も発表されるなど液体の水が存在に関しては否定的な意見が支配的だった。
この研究発表に関して他の研究者の間からは可能性としてはあり得るがそれでも液体でいられるのは日中だけで夜間においては凍結していたのではないか、とする声や、また、それだけ塩分濃度が高ければ例え液体の水が存在したとしても生命が存在し得る可能性は少ないだろう、といって声がでている。
この研究成果の詳細はテキサス州ヒューストンで3月に開催予定の「月と惑星学会年次総会(Lunar and Planetary Science Conference)」で発表予定。