月刊『週漫スペシャル』(芳文社)掲載 2000年前後作品 全14ページ
彼女ナシ、29歳の独身サラリーマン・村田くんはスポーツ紙で見つけた男女交際誌に興味を持ち、さっそく会員になってみることに。
システムは当ブログ『フースケくん千人斬り』にも出て来たように、メッセージが載っている人に手紙を出して、それを1通500円で編集部に回送してもらう、というものである。現在ほどケータイが普及していない頃の話だ。
村田くんは写真入りで20歳前後の若くてかわいい子などという危険な高望みなどはぜず、金がないのでエンコーもパス。
といって特に熟女好みでもないし、30歳前後ならばなんとかなるのでは…、と、そのあたりをみつくろって何通か手紙を書いた。自分の書いた手紙がそっくりそのまんま送り返されたりしたものの、1通には会ってもいい、と電話番号まで書いてあった! Yさんという、28歳のバツイチOLである。さっそく連絡をとり、次の土曜日に会うことに。
村田くんはカレンダーに赤マジックで印をつけ、3回はしたいのでそれまで毎日精のつくものを食べることを決意。また、アクロバット体位に備えて入念にストレッチを続けることにした…。
そして土曜日。現れたのは28歳という年齢の割には少々落ち着いてみえる女性。もしかしたら多少年齢をサバよんでいるかもしれないが、スレンダーな美人であった! 2人はワインを飲みながら食事して談笑。が、村田くんの頭の中は会話とは別に、1回めのフィニッシュの体位はアレで、2回目はどうすっかな~、なんてことをいっしょうけんめい考えていたのである。
しばらくして舞台はラブホへ。これより5ページ半にわたって2人はいろんなことをするのだが、Yさんにはなんと“○○に○○を○○られるのが好き”という特異な性癖をもっていたのである! 愛すべき村田くんの運命やいかに?
彼女ナシ、29歳の独身サラリーマン・村田くんはスポーツ紙で見つけた男女交際誌に興味を持ち、さっそく会員になってみることに。
システムは当ブログ『フースケくん千人斬り』にも出て来たように、メッセージが載っている人に手紙を出して、それを1通500円で編集部に回送してもらう、というものである。現在ほどケータイが普及していない頃の話だ。
村田くんは写真入りで20歳前後の若くてかわいい子などという危険な高望みなどはぜず、金がないのでエンコーもパス。
といって特に熟女好みでもないし、30歳前後ならばなんとかなるのでは…、と、そのあたりをみつくろって何通か手紙を書いた。自分の書いた手紙がそっくりそのまんま送り返されたりしたものの、1通には会ってもいい、と電話番号まで書いてあった! Yさんという、28歳のバツイチOLである。さっそく連絡をとり、次の土曜日に会うことに。
村田くんはカレンダーに赤マジックで印をつけ、3回はしたいのでそれまで毎日精のつくものを食べることを決意。また、アクロバット体位に備えて入念にストレッチを続けることにした…。
そして土曜日。現れたのは28歳という年齢の割には少々落ち着いてみえる女性。もしかしたら多少年齢をサバよんでいるかもしれないが、スレンダーな美人であった! 2人はワインを飲みながら食事して談笑。が、村田くんの頭の中は会話とは別に、1回めのフィニッシュの体位はアレで、2回目はどうすっかな~、なんてことをいっしょうけんめい考えていたのである。
しばらくして舞台はラブホへ。これより5ページ半にわたって2人はいろんなことをするのだが、Yさんにはなんと“○○に○○を○○られるのが好き”という特異な性癖をもっていたのである! 愛すべき村田くんの運命やいかに?
『スペクター』(芳文社)掲載 1990年代前半頃作品 全13ページ
ある年の初夏、主人公の少年は姉とおばあちゃんと共に、近くの小川に蛍を見に出かけた。少年にとってそれは初めてみる、幻想的な風景であった。「一緒に蛍を見るのもっこれが最後かもしれんなぁ」そう言っていたおばあちゃんは次の冬に亡くなった。
そしてまた、夏。お盆に帰ってきたご先祖様を送り返す行事、灯籠流しに姉と弟は出かけた。そこに蛍の明かりが、ひとつ。少年はそれを追いかけて、誰もいない河原にやってきてしまった。そこにまた、蛍がひとつ、またひとつ…。それはもう、まるで人魂のようであった。そして…。
作者がすっかり忘れていたショートホラー。自分でいうのも何だが案外、叙情的な作品である。
ある年の初夏、主人公の少年は姉とおばあちゃんと共に、近くの小川に蛍を見に出かけた。少年にとってそれは初めてみる、幻想的な風景であった。「一緒に蛍を見るのもっこれが最後かもしれんなぁ」そう言っていたおばあちゃんは次の冬に亡くなった。
そしてまた、夏。お盆に帰ってきたご先祖様を送り返す行事、灯籠流しに姉と弟は出かけた。そこに蛍の明かりが、ひとつ。少年はそれを追いかけて、誰もいない河原にやってきてしまった。そこにまた、蛍がひとつ、またひとつ…。それはもう、まるで人魂のようであった。そして…。
作者がすっかり忘れていたショートホラー。自分でいうのも何だが案外、叙情的な作品である。