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あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む
山鳥の尾の垂れ下がった尾が長々と伸びているように、秋の長々しい夜を一人で寝ることになるのだろうか。
あしびきの 「山」にかかる枕詞。万葉集では「あしひきの」で、「ひ」は清音。中世以降に濁音化し「び」となる。
山鳥 キジ科の鳥で尾羽が長い。雄と雌が夜になると谷を隔てて別々に寝るとされることから、独り寝を象徴する語として用いられることがある。
しだり尾の 「しだり(ラ行四段の動詞“しだる”の連用形)+尾」で、「長く垂れ下がった尾」の意味。「の」は、比喩を表す格助詞。初句からこの三句までが序詞で、次の「ながながし」を強調。
ながながし夜 「ながながし」は、形容詞の終止形を名詞化することで、「夜」と合わせて複合語となる。終止形を連体形の代わりに用いたとする説もある。
ひとりかも寝む 「か」と「む」は、係り結び。「か」は、疑問の係助詞。「も」は、強意の係助詞。「む」は、推量の助動詞の連体形。
かきのもとのひとまろ (生没年不詳)
白鳳時代を代表する歌人。歌聖。三十六歌仙の一人。雄大で力強い歌風に特徴があり、長歌の完成度は比類がない。下級官吏という説があるものの詳細は不明。
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