これは、23年2月23日の記録です。
ロシアユーラシア文化交流講演会 「タタール人とは誰か」という講義を聞くために上智大学に行きました。
上智大学一号館
洒落乙で歴史、趣ある建物
タタールときいて、何を連想しますか?
一般的な日本人に聞いた答えが、タルタルソース、タタラ製鉄、タタールの軛、遊牧民、モンゴル人、カタール?! etc…..
タタールとは、中世から近世にかけてはジョチ・ウルスの諸民族をさしていた。
現代でタタールはヴォルガ・タタールをさす。
ヴォルガ・タタールとはジョチ・ウルスの国のひとつ、金帳汗国(キプチャクハン)国の子孫である。
沿ヴォルガ川地域にタタールスタン共和国というロシア連邦の構成国の一つである、自治共和国が存在する。
そこに多く住んでいる。タタールはそこだけじゃなくて、ロシアの他の地域や、欧州やアジア諸国(カザフスタン、ウズベキスタン、中国、日本など)、米国などにも住む。
いつの時代か分かりませんが、日本には商人として来たタタール人が多い。
日本に一度に沢山来た時代がある。ロシア革命の時、ソ連崩壊の時。
日本から米国に流出が多かった時期は第二次世界大戦。
日本の神戸と横浜にタタールコミュニティーがある。
タタール人はコミュニティーを自ら形成した。
東京、代々木上原のモスク、東京ジャーミーは、タタール人が作った。
中央アジアにもタタールコミュニティーがある。
今戦争で、ロシア、ウクライナのタタールに、中央アジアに来られるように手を差し伸べる。
タタールらしさとイスラムは結びつくらしい。
ステレオタイプとしてはムスリムである。はずだが中には東方正教(キリスト教)を選ぶタタールもいる。
私のタタールの印象は、タタールとは、掴みどころがないな、というところだ。タタールという民族は、自称タタールの民族区分で、タタールだからこうあるべき。という人もいればそうではない人もいる。自分の在り方を自分で決めているといったところだ。一つの民族の中で多様性がある。
講演会では、タタールの音楽を紹介してくれた。
タタールの民謡で、日本人が聞いても懐かしく思える演歌のような曲もあれば、カザフスタンの民謡のようなものもある。
音楽も多様性に溢れている。タタールスタンの近くのバシコルトスタン共和国の楽器、クライという70cm弱はありそうなものを、講師が見せてくれた。尺八を連想させられる物だった。音を出すのが非常に難しいという。
タタールの文学者は、ラッパーになる人が多いという。そして、古い詩のアレンジが多いらしい。
ラップというものは民族運動に繋がるらしい。
タタールらしさとは何か?最近では、近縁民族との小さな差異だという。
講義後の質疑応答が長時間に渡る。
そこには、鋭い質問や、マニアックな質問が多かった。質問している人は専攻学生なのか?一般の社会人なのか?講義をよく聞いてるなーと思いました。
自分はあの人たちほど、沢山の物事に気がつかなかった。真剣に聞いていなかったわけではないけれど、タタールについて知らない事ばかりなので、講義を聞いて疑問どころか、へぇー、そうなんだー、と驚かされる事が多かった。
講義は楽しかったし、とても素晴らしかった。
自分もタタール人のように、自分自身の在り方を自分で決める。そういう生き方がしたい。と思いました。
タタール講義後、西荻窪のHAPA HAPA店舗でオヤマニアの会主催、地震支援の「チャリティー企画 材料市」BiT PAZARIに行った。
手芸材料や手工芸品を買うと義援金になる。ここではトルコの物を扱っている。
鞄のストラップにするか、首から掛けるアクセサリーにするか、悩むところです↓
リボンはかっこよくて、用途など考えずに、購入↓
リボンと同じ袋に入ってたストラップも可愛い😍
ボディータオル、早速使わせていただきます↓
薄いピンク色のスカーフと、ビーズの首飾り。これも早速使わせて頂きます!
BiT PAZARI後、東京ジャーミーに行く。在日タタール人が作ったモスク。地震支援の募金して、2階の礼拝堂やハラールショップを見る。
そこでアゼルチャイ購入。
ジャーミーには、東京外語大学が出しているフィールドプラスという本が置いてある。
自分が興味があるフィールドワークという作業と、契丹文字について扱っているものがあった。買ってまで読みたい。
ジャーミーは、11月5日にもお邪魔したが前回同様、とても雰囲気の良い、居心地の良い場所である。
寄木細工のテーブルがある。
ここでトルコチャイを飲んで帰る。
家に帰って郵便受けをみると
「天幕のジャードゥーガル」が届いている。
アゼルチャイを飲みながら、天幕のジャードゥーガル1巻を一気読み。
アゼルチャイは黒茶にタイムという香草が混ぜ込んである。紅茶に比べてカフェインがキツくない感じがした。
天幕のジャードゥーガルは『このマンガがすごい2023』オンナ編 第1位。歴史漫画を描く漫画家による作品。
ジャードゥーガルとは、アラビア語で魔女。
ペルシャの学者に拾われた奴隷の少女が紆余曲折を経て、モンゴル帝国の王妃に仕える事になる…..
というあらすじ。
ネタバレになるので詳しくは書けない。
全巻を完読したわけではないので感想はまだ書けないが、1巻だけ読んで思った事は、この作品は実際の戦争の影響を受けているな。という事。
蒙古軍による侵略、破壊、捕虜のシーンなど….
戦争が始まってからの出版なので何となくそんな気がした。違うかも知れないが。
私たちは日本という安全な場所にいながら、共に生きている。
この日はとても密度の濃い一日でした。
という事で、長文をご精読ありがとうございます。