タノカンサーとは「田の神様」のことで、こちら鹿児島での
親しみを込めた呼び名です。
今日は、そのタノカンサーのご紹介を少し。
田の神自体は全国どこでも抽象的には信仰されているようですが、それが石像として、田んぼの畔などにあるのは、鹿児島を中心とした旧島津藩領の薩摩地方・南九州の一部だけ。
県内に2000体はあるのだそうな。
これは、薩摩藩が17世紀後半から18世紀初頭にかけて開田事業を強く進めた際に、田園の安全を守り豊作を祈願するための農耕神として作ったといわれているそうですが、その特徴的な形体や信仰の源など神秘的な部分も多いとされているようです。(たとえば、農耕神としてだけでは無く、子孫繁栄の神としても崇めれていたりなど・・。)
前々回の記事で書いた、大口市行きの際、ふと思い立ち親父様に
タノカンサーの石像は、この辺ではどこに有るのか?と聞いてみたら、
「お~、そんな事なら・・」と自らその場所に案内してやると言って下さった。
(親父様は厳しくも、お優しい、九州男児を絵に描いたようなお方
)
大口市は昔から稲作の盛んな所で、その米は“伊佐米”という高級ブランド米となっているほど。
田の神像が建っていても勿論不思議はないわけです。
「取りあえず二つ三つ、見に行ってみよう!」と言うことで、
早速車に乗って田んぼ巡り。
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タノカンサーの特徴は、顔がニッコリと笑ってて、手にスリコギやシャモジを持っていること。
ほらほら見えて来ました。
これがそのニッコリと笑った・・ん??あれれ??
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ん~、笑っていると言えば言えないことも無いようだけれど、
ちょっとこれはイメージ違うぞ。
も少し、タノカンサーらしいお顔の物は無いものかと
田んぼの景色を眺めながら、さらに車を走らせていると・・
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お!またまた発見しましたよ!
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ん~、でもこれはタノカンサーというより仏様・・。
それもそのはず。大日如来像が、そのままタノカンサーとして建てられているのです。
実はこのタノカンサー、今のタノカンサーのイメージが出来る前のもので、かなり初期の頃にあたる物なのだとか。とても貴重な物で、県の指定文化財となっています。
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これはこれで珍しいタノカンサーを見ることができたと喜ぶものの、
なんだかやっぱりスッキリしない・・。
スッキリしないまま、途中でこの近くにお住まいの親戚Tさんのお宅へ寄らせてもらい、休憩タイム。(Tさんご一家、いつもホントにありがとうございます。
)
ここでお茶などをいただきながら、「タノカンサーねえ・・う~ん、どこに建ってたかな~?いざ聞かれてみると思い出せないもんだな。」と話しているうちに、なんのことは無い、Tさん宅のすぐ近くにも建っていることが判明!
Tさんご一家にお礼を言って、親父様の案内ですぐにそのまま向かった。
意外なことに、向かった先は今度は田んぼではなくて神社。
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見ると、タノカンサーもお社の中に鎮座されておわします。
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左手に団子を持っていると案内に書かれてあるので、よく見てみると・・
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なるほど、なるほど、確かに団子らしき物を持っていらっっしゃる。
このタノカンサーは、市の指定文化財に。
さて、ここまで見てきたどのタノカンサーも、由緒正しき歴史を持つものに間違いは無いのだけれど、やっぱりニッコリ笑顔のタノカンサーを見ないことには、どうもスッキリしない。
「どこかに笑って待ってて下さらんものか」と思いつつ、さらに車を走らせていると・・
あ~!あれ、あれ!有りました~!
このお顔に会いたかったのです!
ね、ニッコリ笑っていますでしょ~~!
ちゃんと、手にシャモジも持っています。
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すぐ横には、わりと最近建てられたこんな石碑も。
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五穀豊穣に家内安全、子孫繁栄に交通安全(昔で言えば、旅の道中の安全でしょうか?)、何でも来い!のタノカンサー。
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最後までこの記事を読んでいただいた皆様の元にも、
この笑顔が、どうかたくさんの福を持たらせて下さいますように・・。
下のサイトには、霧島に有る苔むしたタノカンサー8体像が。
それぞれがとても素敵なお顔をされてます!
http://www.karatsuya.com/tanokamisama.html
こちらには、タノカンサーについての詳しい記述と、
化粧をされてるタノカンサーの写真が有ります。
http://www.d1.dion.ne.jp/~msp/turezure-01apil.html
ブログランキング参加中。押して下さるとうれしいです。→
親しみを込めた呼び名です。
今日は、そのタノカンサーのご紹介を少し。
田の神自体は全国どこでも抽象的には信仰されているようですが、それが石像として、田んぼの畔などにあるのは、鹿児島を中心とした旧島津藩領の薩摩地方・南九州の一部だけ。
県内に2000体はあるのだそうな。
これは、薩摩藩が17世紀後半から18世紀初頭にかけて開田事業を強く進めた際に、田園の安全を守り豊作を祈願するための農耕神として作ったといわれているそうですが、その特徴的な形体や信仰の源など神秘的な部分も多いとされているようです。(たとえば、農耕神としてだけでは無く、子孫繁栄の神としても崇めれていたりなど・・。)
前々回の記事で書いた、大口市行きの際、ふと思い立ち親父様に
タノカンサーの石像は、この辺ではどこに有るのか?と聞いてみたら、
「お~、そんな事なら・・」と自らその場所に案内してやると言って下さった。
(親父様は厳しくも、お優しい、九州男児を絵に描いたようなお方
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大口市は昔から稲作の盛んな所で、その米は“伊佐米”という高級ブランド米となっているほど。
田の神像が建っていても勿論不思議はないわけです。
「取りあえず二つ三つ、見に行ってみよう!」と言うことで、
早速車に乗って田んぼ巡り。
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タノカンサーの特徴は、顔がニッコリと笑ってて、手にスリコギやシャモジを持っていること。
ほらほら見えて来ました。
これがそのニッコリと笑った・・ん??あれれ??
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ん~、笑っていると言えば言えないことも無いようだけれど、
ちょっとこれはイメージ違うぞ。
も少し、タノカンサーらしいお顔の物は無いものかと
田んぼの景色を眺めながら、さらに車を走らせていると・・
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お!またまた発見しましたよ!
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ん~、でもこれはタノカンサーというより仏様・・。
それもそのはず。大日如来像が、そのままタノカンサーとして建てられているのです。
実はこのタノカンサー、今のタノカンサーのイメージが出来る前のもので、かなり初期の頃にあたる物なのだとか。とても貴重な物で、県の指定文化財となっています。
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これはこれで珍しいタノカンサーを見ることができたと喜ぶものの、
なんだかやっぱりスッキリしない・・。
スッキリしないまま、途中でこの近くにお住まいの親戚Tさんのお宅へ寄らせてもらい、休憩タイム。(Tさんご一家、いつもホントにありがとうございます。
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ここでお茶などをいただきながら、「タノカンサーねえ・・う~ん、どこに建ってたかな~?いざ聞かれてみると思い出せないもんだな。」と話しているうちに、なんのことは無い、Tさん宅のすぐ近くにも建っていることが判明!
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Tさんご一家にお礼を言って、親父様の案内ですぐにそのまま向かった。
意外なことに、向かった先は今度は田んぼではなくて神社。
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見ると、タノカンサーもお社の中に鎮座されておわします。
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左手に団子を持っていると案内に書かれてあるので、よく見てみると・・
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なるほど、なるほど、確かに団子らしき物を持っていらっっしゃる。
このタノカンサーは、市の指定文化財に。
さて、ここまで見てきたどのタノカンサーも、由緒正しき歴史を持つものに間違いは無いのだけれど、やっぱりニッコリ笑顔のタノカンサーを見ないことには、どうもスッキリしない。
「どこかに笑って待ってて下さらんものか」と思いつつ、さらに車を走らせていると・・
あ~!あれ、あれ!有りました~!
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このお顔に会いたかったのです!
ね、ニッコリ笑っていますでしょ~~!
ちゃんと、手にシャモジも持っています。
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すぐ横には、わりと最近建てられたこんな石碑も。
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五穀豊穣に家内安全、子孫繁栄に交通安全(昔で言えば、旅の道中の安全でしょうか?)、何でも来い!のタノカンサー。
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最後までこの記事を読んでいただいた皆様の元にも、
この笑顔が、どうかたくさんの福を持たらせて下さいますように・・。
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下のサイトには、霧島に有る苔むしたタノカンサー8体像が。
それぞれがとても素敵なお顔をされてます!
http://www.karatsuya.com/tanokamisama.html
こちらには、タノカンサーについての詳しい記述と、
化粧をされてるタノカンサーの写真が有ります。
http://www.d1.dion.ne.jp/~msp/turezure-01apil.html
ブログランキング参加中。押して下さるとうれしいです。→
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大口市の田園風景とともに、鹿児島から遥かはなれた、信州の私にも、タノカンサーのユーモラスな慈愛が届きました。ありがとうございました~!!
ニコニコがおを拝見するだけで明るい気分。お祭りもいろいろ、あるんですね~。
道祖神と、タノカンサー、形はちょとちがうけど
お願いする事は、同じみたいですね。
人間の願いは、今も昔も、鹿児島も長野も、あまりかわらないっていう大事な事が、よーくわかりました。
いつも。どもどもありがとうございます。
親父様の家に着き、タノカンサーのことを尋ねたら、突然、嬉々とした顔になり「今から行こう!」と立ち上がり・・。
こちらはほとんど座る間も無く・・。
でもお陰様でいい取材ができました。
タノカンサーの慈愛。感じていただけて嬉しいです!
(苦労(?)した甲斐が有ったってもんだ。
前回の記事、“きょうの(オトコの)料理”にも、田の神様のタイトルに引き寄せられて、コメント下さった方もいらっしゃったし。(あ、ちなみにこの方も写真がご趣味の様子。)
神仏の持つパワーはやっぱりスゴイ??
pa-manさんも言ってたように、道祖神もタノカンサーも決して鬼のような恐ろしい顔をしていないのがいいですよね。
気障な言い方をすれば、優しい愛の力によって邪気を祓い、平和を守ろうとしている。
いつも優しさに満ちたニッコリ顔で、男女が互いに手を取り、助け合えれば、この殺伐とした国も、も少し平和になるだろになあと思ってしまいます。
でもそのためには、まずは「田の神様」ならぬ、「家のカミさん」と仲良くする事から始めなければならんのでしょね~?