やるときゃやる！の、おやじ様

カミさんの父親（以下おやじ様）が、夜眠れないために
アルコールと睡眠薬に頼り、また、そのためか、
先日カミさんが帰った際に、おかしな言動が有ったと聞き、
昨日、おやじ様に会いに伊佐市大口へ。
場合によっては、即刻医者に相談して、
しかるべき処置を・・と考えながら。

が・・

会ってみると、おやじ様に特別変わった様子は見られない。
それどころか、顔つきなど、今までよりもむしろ
スッキリとした表情。
「あれれ？？」と思いながら、話を切り出すと、
「アルコールと睡眠薬は、五日ほど前から飲んでおらん！
あんなものに頼っていては駄目になる！」という答えが帰って来た。
おまけに「俺は、やる時はやる男だぞ！」と、その意志の固さを豪語！

それを聞いて、こちらの方は「あ、・・ですか。」と、
拍子抜けした気分・・。
そのあと、いつものように、「さあ！飯でも食いに行こう！」と
おやじ様が言うので付き従い、少しキツネにつままれたような気分で、
昼食を共にした・・。



後になり思ったのだが、
「アルコールと睡眠薬、あんなものに頼っていては駄目になる。」との発言は、
それを自覚させるような何かが有った、自分で感じたという証拠だろう。
そのことに気付き、きっぱりと正す決心をしたおやじ様は、
「さすがだな！」と思う。
が、けれども、おやじ様のやる事は、瀟々極端すぎやしないか？

睡眠薬への依存はともかくも、なにもアルコールまで同時に絶たなくとも良いのでは？
でも、「俺は、やる時はやる男！」と豪語し、その決意が強固なおやじ様は、
僕と一緒に家にいても一滴もアルコールを口にせず、
横になってテレビばかりを見ている始末・・。
僕はビール一杯だけを頂戴したが、ひとりで飲んでも味気なく、
やがて僕もゴロリと横になり、いつの間にかウトウトと・・。

これからおやじ様の所へ行くたびに、
こんな調子でいなけりゃならないのかと考えると、
なんだか少し寂しい気がしないワケでもないのだけれど、
でもやっぱりそれはおやじ様にとって必要なことで、
やるときゃやる！の、その男意気、
お付き合いしたいと思うのだ。



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