夢色

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基本ネタバレ注意。
火月 神の気まぐれ よろずメモ。

<六本木歌舞伎「羅生門」 @ オリックス劇場>

2019-03-13 | 舞台

大阪初日。
久しぶりにチケット取れたので、初めて健ちゃんの歌舞伎を観に行くことが出来ました!
海老蔵さんも久しぶりだから、楽しみにしながらも、本場にもまれて健ちゃんがどんな感じになっているのか、歌舞伎ファンの人から観てどう評価されるのか、私までがドキドキしながらの参戦でした。


  会場入ったら、海老蔵さん宛てに、和風の華やかなお花が素敵

席は中央寄りで、とても見やすくて、嬉しかったです

羅生門をベースにしたストーリーになってて、途中かなりのコントが差し込まれるという目まぐるしい展開でした(笑)
一番最初始まった時は、海老蔵さんの渡辺綱と、右團次さんの茨木童子の立ち回りのシーンで、「・・・いつもならイヤホンガイドで、渡辺綱 市川海老蔵・・・とか言ってくれるけど、今日は無いからヤバい、分からないかも置いてかれるかも」とドキドキしたのですが。
暗転して次の瞬間、斜め後ろの方に気配がしてみたら、健ちゃんが立ってる!!!

細いー!!!顔小っちゃいー!!!久しぶりの健ちゃんだー!!!  ってなりました(笑)

普段の高く可愛い声じゃなくて、こういう喋り方もするんだな~って。
健ちゃんの舞台は初めてだから、しみじみと(笑)

羅生門に上ったところにいた老婆が、すごい迫力で、セリフもお婆ちゃんで、さすが海老蔵さんだと鳥肌が立ちました。
途中で入れ替わってるのに私全然気づいてなくて(笑)コントの時に初めて理解したという
老婆を殺した後、結局茨木童子に殺される健ちゃん。

どうやって話を組み立てていくのか、興味津々でしたが、、、まさかここからコントが始まるとは、予想の斜め上にきました
客席から颯爽と舞台へ駆けあがっていく海老蔵さん。
スエットパーカーでもカッコいい色気

海老蔵さん、来年13代目市川團十郎白猿を襲名されて、大阪でも襲名披露公演があると教えてくださいました!行きたい!!!
次に行くためのきっかけのセリフを大体いつも忘れるのかな?海老蔵さんに突っ込まれてw
「だって、ここ来るとホッとするんだもん」って(笑)
健ちゃん!海老蔵さんに甘えとる!
そして海老蔵さんも「わかった、ご褒美上げるから」って子ども扱いやしwww
勇気を出せ、と老婆に言われたのに、人殺す方に勇気が出てしまったもんだから、そうじゃないんだ、と(笑)
もう一度、やり直したい、という健ちゃんに「俺ならできるよ、俺この会場の中だけは万能だからw」って海老蔵さん。
健「もう一度下人は嫌だから、もう少し上の人が良い」
海「じゃあ、帝?」 ←イキナリ最上位!軽いな!(笑)
健「ミカド⁈いやいや!そこまで上じゃなくて、ほら、下人よりちょっと上くらい・・・帝と下人の間らへん・・・」って注文を付けて(笑)結局綱の家臣として生まれ変わることになりました。


早着替えを健ちゃんが頑張って、毛氈がぱっと外れた時に現れた瞬間、綱の家来・右源太姿の健ちゃんが、凛々しくてカッコ良くて!
おもわず溜め息でした
どこぞの若様でも出来そうだった

切り落とされた腕を取り戻そうとやってくるであろう茨木童子を待ち構えながら 郭で遊んだ振りをする綱と、女将に化けた茨木童子とその一味たち。
綱の仲間の坂田金時(九團次さん)と、碓井貞光(片岡市蔵さん)が出てきて、「四天王の中でも頭の切れる綱が 郭遊びなど、何か考えがあるに違いない」と話していると、郭へ案内するべく仲居さん4人衆が現れて・・・まさかの「二人の会話が難しくて、何言ってるか分からないクレーム」(笑)
人物がゆっくり喋ってくれたり、囃子方の唄での説明などは、耳が慣れてくると大体分かるんだけど、初めて歌舞伎観る人は難しいからかもね。
四天王の二人は、「いや、だからね・・・」って普通のおっちゃんの会話に訳してくれました(笑)
花粉症対策に、海老蔵さんがCMしてる商品をアピールしたりw
鼻水だけじゃなくて涙が出る時は手ぬぐいが良いですよ、と羅生門グッズの宣伝をしたりw
やりたい放題の皆様方w

郭で綱は、健ちゃん演じる右源太に鬼に腕を渡さないように命じて奥の部屋へ引っ込み、その隙に、と、茨木童子たちは右源太から何とか腕を納めた箱を取り返そうと四苦八苦。
お酒で酔わせようとどんどんデカい盃出て来ても、「拙者は酒は苦手でござるぅ~~~」って言いながら平らげていく右源太。
健ちゃんだったらもう絶対無理ねwww
酒がダメなら女だ、と、花魁に誘惑させますが、右源太とキスするくらいに近く顔を近づけて目をパチパチパチ・・・と花魁がアピール。
でもちょっとアピールの仕方が古い・・・(笑)
右源太が花魁の顔を見て、「・・・チェンジ!」ってwww
何処のキャバクラだよ!(笑)
酒も女もダメなので、「見立て遊び」という、例えば扇をひっくり返して富士山、というようなお座敷遊びを繰り出します。
太陽の塔は上手かったわ!!!
「万博開催決定、おめでとう~」って、ちょいちょい大阪ネタを仕込んできます
健ちゃんがサタデーナイトフィーバー的なポーズを決めたり、超可愛かった

結局は、正体を現した茨木童子一味と立ち回りを繰り広げて、歌舞伎独特の刃を合わせなくても斬った張ったの仕草に、おぉ~ とテンション上がります。
途中花魁役の人と健ちゃんが刀を交えた時に、一瞬顔を見て、「・・・チェンジ!」ってまたかいっ!(笑)
花魁役の人は突き飛ばされて、よよよ・・・と畳にしなだれて「ちくしょ~!!!」・・・って小梅太夫かいっ!(笑)
もうどっちにテンション持ってきたらいいか分かんないよwww関西人にはキツイwww
蜘蛛の糸に絡めとられるシーンは、綱をぐるぐると体に巻き付けた後下に落として、ハンモックみたいにしたのに健ちゃんが乗って、っていうあやとりみたいなことになってて、すごかった。

でも最後は、腕を守り切ったと思って一安心したところ、後ろから茨木童子に斬られて結局死んでしまいます。
せっかく、改心してイイ人の人生を歩もうと思ったのに・・・。


そこへ駕籠に乗って現れた海老蔵さんw
グラサン引っ掛けて、やっぱり無駄にイケメンw
健ちゃんに「遅いよ~!また間に合わなかったじゃん!」って文句言われて、「しょーがないじゃん!俺忙しいの!ギリギリなんだから!綱やるでしょ?老婆やるでしょ?で化粧落として俺になるでしょ?でまた綱になるでしょ?で化粧落とすでしょ?ここ来るの、ギリギリなんだから!大阪通路遠いんだから!」って(爆笑)
健ちゃんも爆笑して、「遠い!この会場たしかに遠い!」ってw
オリックスでごめんw

もう一回やり直したい!っていう健ちゃんに、
海「俺なら出来るよ、この会場なら俺神様だから。でもここにもいっぱいいるじゃん。そこの赤い人とか、ちょんちょんちょんって並んで着物着てる人とか。お客様は~?」
健「神様です!」
息ピッタリw

「じゃあ神様に聞いてみなきゃ。いい気持にしてあげなきゃ。」っていきなり健ちゃんのモノマネ劇場が始まるw
「大阪の神様は、厳しいぞ~」ってニヤニヤしながら言う海老蔵さんw

海老蔵さんの、「まあここだから言うけど、東京始まった時、、、もっとヤバかったからねw最近 ウデ アゲタネ!」っていう振りから、
健「ドッチ?コッチ?コッチ?・・・リョウホウ ネ!」って陳さーん!!!
海老蔵さんも並んで一緒に(笑)
健ちゃんが陳さんだったら、海老蔵さんは何だろう、王さんかな?(笑)
生で観れて、大感激の私です

千と千尋の神隠しの蛙の「せんを出せ~!せんは何処だ~!」っていう声マネとかw
大阪Ver.で、松井秀喜投手の解説する掛布さんのモノマネとかw
でもごめん・・・私あまり掛布さん知らないから、似てるかどうか不明(笑)

「もう早く上手い事しないと、一幕終われないんだから!三宅健がちゃんとしないと、終わらないよ?!」って海老蔵さんにダメだしされながら(笑)
囃子方のファンキーな前振りから、テイクミを踊ってくれて、衣装が引っかかるから踊りづらそうだったけど普段の健ちゃんの方がもっとカッコいいから!ダンスは上手いんだから!
でも久しぶりに踊ってるところ観れて嬉しいよ~

駕籠に乗った海老蔵さんと一緒に健ちゃんも花道から捌けて行って、一幕終了~。
いや~、なんかホント、目まぐるしい
トイレで後ろに居た歌舞伎ファンらしいおばあちゃま’sは、「なんだか今日のは海老蔵さんじゃなくて、あの男の子が主役みたいねぇ~」って話してはって、「いや、うん、六本木歌舞伎だからでも、おばあちゃん達にはちょっとびっくりしたよね」って、ちょっと ぷぷぷ( ´艸`)ってなっちゃいました

二幕は、最初の羅生門のシーンを再現して、一緒じゃん!どうなるんだろう?!って思ってたら、途中で右源太が「あれ?これ、どこかでやった事がある、同じ場面を俺は知っている」って気付き。
でも結局老婆を殺してしまい、直後にまたしても茨木童子に殺されて、「なんで、分かってるのに、なんで俺は殺してしまったんだ。自分の体を止められなかった。」といって死んでしまいます。
ここから哲学的な話になって、同じことを繰り返してしまう人間の性だったり、本当の勇気とは何か、自分の中の鬼と向き合い、倒すことが出来るのが勇気なのか(と理解しましたが)。
コンテンポラリーダンスみたいな演出もあって、茨木童子の踊りもすごかった!
右團次さん、やっぱり腰の座りも声の太さも、迫力があってカッコいい。
そして登場する、海老蔵さんの三升屋兵庫之助三久が荒事を演じます。
見得を切る海老蔵さんは流石。
迫力のある荒事で、始終鳥肌で、この場に居ることがすごく幸せに感じて、涙が溢れてきました。
最後はキラキラの紙吹雪と共に、鬼を倒した右源太の頭上に一本の糸が下がってきます。
あぁ、ここで蜘蛛の糸になるんだ、と分かるような 分からないような展開ながらも、なんだか無性に腑に落ちる感じがして、すごく面白い演出だったと思う。
分からないけど分かる感じがするところが、楽しい。
そういう哲学的な難しさが、楽しい。

綺麗な白い蜘蛛の糸に掴まり、上る健ちゃんを守るように前に立ち、見得を切る海老蔵さんとの二人の並びが、本当に神々しかったです。
どうしようもない人間の性だけど、どうしようもなく澄んで美しいモノも内包している。
そんな気になりました。


カーテンコールは8回。
皆、何度も何度も出てきてくれて、囃子方さんも手が潰れちゃうんじゃないかと心配するくらい、何度も何度も。
健ちゃんは、客席に降りて駆け回ってくれて、通路脇の席じゃなかったからハイタッチは出来なかったけど、目の前を走っていって、よく頑張ったね~!って本当に労いたいと思いました。
他にも2人役者さんが降りてきてくれて、ちょっとだけハイタッチしてもらえました。
三池監督も後ろで観劇されてたようで、海老蔵さんに呼ばれて舞台へ。
舞台上がる時にちゃんと靴を脱がれてて、流石でした

もう海老蔵さんは、すごい風格が出たなぁと思いました。
人を差配する側の人間となって、これから長い事もっと芸を磨いていかれるんだなと胸が熱くなります。
前に観た時より、ぐっと深みが増していると感じました。
素晴らしい
帰りに客席に落ちてたキラキラ貰った 


見得の切り方とかはまだまだ健ちゃんは健ちゃんだなって思うし、歌舞伎役者さんは本当に格が違うと思ったけど、それでもあれだけの役者さんに囲まれて、歌舞伎ファンも来るだろう中で頑張った健ちゃんが誇らしかったです
真面目なだけじゃなくて、ハチャメチャな歌舞伎・・・というか、コントがいっぱいだったのも面白かったです。
でもやっぱり、ホンモノは良いなと思ったし、また他にも歌舞伎観に行きたい熱が出ちゃいそうです

帰りに出口で、右團次さんの奥様かな、お見送りに出られてて、美人でした
目が合って会釈したら、返してくれて、梨園の妻ってのは大変だなぁと応援してしまいました



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