身近な自然となかよくblog (旧「菊名エコクラブblog」)

自然環境と調和した持続可能な社会を!

by NACS-J認定 自然観察指導員 松田 照之

ヒキガエルについて

2019年05月08日 22時32分20秒 | その他
ヒキガエルは地上性のカエルで、落ち葉がある程度積もっていて、小さな凸凹や倒木のある森林や緑の多い人家の地上部に生息します。
昼間に動くこともありますが基本夜行性です。
以前、三ツ池公園で真夏の夜の自然探検を行なったとき、森に隣接した芝生広場の外灯の下に何匹かの小さなヒキガエルがエサを求めて歩いているのを見たことがあります。

私も幼いころ、よく、ヒキガエルのおたまじゃくしを捕獲して子ガエルにまで育てたものですが、その後の飼育は難しいため自然に返していました。
大きくなったヒキガエルを自宅の庭で捕獲して飼育したこともあります。
その時はゴキブリやナメクジを与えていました。
それは小学生のころの国語の教科書だったと思いますが、ヒキガエルがゴキブリやナメクジを食べて、家の中や農作物にとっての害虫を退治してくれるという話が載っていたので、その姿を実際に見てみたかったためです。
ですがエサの確保は容易でなく、その様子の観察が済むと元いた庭に返しました。

昔は隣どうしの家の敷地境界に、よく垣根(木や竹の杭による柵や植木による生垣)が用いられていました。
そのため、エサを追い求めたり冬眠の場所や産卵の場所に行き来するためにカエルたちの移動経路が妨げられることはありませんでした。
ところが今は、ブロックを土台とする柵が主流となったとともに、庭を舗装して地面をなくしてしまう人家が多くなったため、ヒキガエルは庭から消えていきました。
その上、公園などでも森を明るくした方が良いなどと、落ち葉を残さず綺麗に掃き捨ててしまったり、下草を綺麗に刈り上げたり、木々を切ったりするこごが多くなってきたため、ヒキガエルたちはますます町なかから姿を消していっています。

私たちのライフスタイルが変化したことが大きな原因ではありますが、私たち自身がそういうライフスタイルを選択しているのです。
それは自然との共存を捨て去ることを意味していると同時に、生きものたちを絶滅へと追いやる選択をしているのだという認識を持つ必要があると思います。
たかがヒキガエルで?と言い切ってしまって良いものでしょうか?
メダカも昔は当たり前にいたのに、今では絶滅危惧種です。
そんな状況を放っておいて良いとは、私は決して思わないのですが、世の中はなかなかそうはいきません。
おたまじゃくし救出もその一つでしたが、私は私のできることをしていきたいと思います。
コメント
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