身近な自然となかよくblog (旧「菊名エコクラブblog」)

自然環境と調和した持続可能な社会を!

都市に住む現代人であっても地球への敬意を大切に。 松田 照之

私がヤゴ救出を企画する理由

2022年06月21日 20時48分44秒 | 新カテゴリー:4.初夏の活動、プールのヤゴ救出

私がヤゴ救出を企画する理由は、一言でいうと身の回りの自然や生きものたちに目を向け、決して怖かったり汚かったりするものではないということを体感し、親しみを感じてほしいからです。それが自然と共存した持続可能は社会への第一歩だからだと考えているからです。

以下は、ちょっと長くて難しいお話になるかもしれません。

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私たち日本人は元々農耕民族で、里地里山と呼ばれる環境の中で自然と共存して暮らしてきました。

みなさんも里地里山という言葉を聞いたり目にしたりしたことがあると思います。これは元々、人里とか単に里とか呼ばれていたのが、2010年に愛知県で開催されたCOP10(生物多様性条約締結国による第10回会議)で話題となったため、「里地里山」という名称で定義づけられるようになったものです。

なぜ話題となったかというと里山こそ多種多様な生物の生息空間であり、そこでの暮らし方こそ、自然環境とと共存した持続可能なライフスタイルだからです。だから、私たちはそれに倣うべきだということで、それ以後里山ブームとなったのです。

このブームでは環境省などによって、里山とは何か、里山はなぜ大切かといったことが解説されたパンフレットが配布されたり、NHKなどでも同様の内容のテレビ番組が放映されたりしました。しかし残念ながら、一時的なブームで終わってしまいました。

環境問題の根本はこうです。自然環境は元々、自己浄化作用や環境調節機能を持っています。その働き、その力を超える量の汚染物質やゴミや排気ガスなどを出すから環境問題が起こっています。

環境に負荷をかけないようにそうしたゴミや汚染物質を出さないことも大切ですが、自然を守ること、減らさないことが本当は肝心の基本のはずなのです。

ところが、環境に負荷をかけないように、ゴミを出さないように、温室効果ガスを抑えるようにとは言われてはいますが、草地を守ろう!森を守ろう!これらは大切だいう言葉は、あまり聞きません。それどころか草ボーボーで汚い。木々は見通し悪い。虫は気持ち悪いという言葉さえ、よく耳にするようになりました。そして当たり前に野草たちが除草され、木々は切られ、虫は殺されます。里山も壊すようには力が注がれているのに大事にしましょうという言葉はあまり聞くことがありません。私たち日本人が昔は親しみを感じていたはずの野の花や木々も里山も、今や大切にされなくなってしまったことは否定できないです。

SDGsの宣伝を信用していると大丈夫だと思い込んでしまうのかもしれませんが、その中で、こうした環境や生きものたちを大切にしようという話題が出てこないのは問題だと思います。

こうした環境や生きもたちに対して、親しみがないことには大事にしようなどとは思えないのは当たり前です。だから、トンボ、やごといういうたかが昆虫かもしれませんが、まずは親しみを持っていただきたい。決して怖かったり汚かったりするものではないということを体感していただきたくて、ヤゴ救出を企画しているのです。

少し前の投稿の繰り返しになりますが、自然観察は決して自然や生きものの好きな人たちだけの単なる楽しみといったものでは決してありません。元来共存してきた自然環境から遠のいてしまった私たちが、自然や生きものたちへの親しみや理解を取り戻すための確かな手段で、環境学習とか自然環境体験学習とも言えるものです。

 

 

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