昨年秋に行なった活動を振り返ってみます。
昨年2023年9月、公園管理事務所を介して植物の外来種防除活動に協力したもらえないかとのお話があり、一緒に活動しました。
街なかでは小規模な造成や都市的な整備が進められることによって、多くの野草たちがその生育環境とともに(生えている場所もろとも)姿を消していっています。三ツ池公園には、まだそうした野草たちが見られ、その貴重な生育地となっています。
(そうは言っても、その公園でさえもが都市的な管理の対象とされており、決して安心できる状況ではありませんが。)
こうした在来種の野草たちが消失していくのには色々な原因があり、よく知られているように外来種もその一つです。外来種が在来種を打ち負かして消失させてしまうことがあるのです。そこで在来種は残し、外来種だけ取り除く必要が出てきます。こうした作業を草地での植物で行なう場合、選択的な草刈り、選択的な手抜き(手作業で根っこごと外来種を引き抜くこと)と言います。
しかしながら、その外来種について調べていくと、外来種自体が悪いのではなく持ち込んだ人間が悪いということがわかってきます。外来植物として有名なセイタカアワダチソウも元々は蜂蜜の蜜源として、また、健康茶や薬用、食用に用いることのできる有用植物なのです。
このセイタカアワダチソウのお話しは、また別の機会にしたいと思っています。
昨年9月は、こうした作業をお話しを交えながら、某企業のみなさんと一緒に作業を進めました。
セイタカアワダチソウやコセンダングサなどの外来種を引き抜いているとクコが出てきました。薄紫の花を咲かせています。クコは秋に成る赤い実が中国料理によく使われます。漢方薬としても用いられ、日本には平安時代に渡来したと言われている古来の外来種です。
こうした古来の外来種は、近代になって移入されて在来種や生態系に著しい影響を与える外来種とは区別されます。
園路上でヤマボウシの実を見つけました。同じミズキの仲間のハナミズキはアメリカヤマボウシの別名を持つ外来種ですが、ヤマボウシは在来種です。このヤマボウシの実は食べることができます。イチジクのような味と触感があります。
ハナミズキもヤマボウシも落葉広葉樹なのですが、近年、常緑樹のヤマボウシを園芸店などで見かけるようになりました。これは中国原産の外来種。(もともと園芸植物、植栽植物の多くは外来種ですが。)在来種のヤマボウシと交雑するなどして、新たな外来種問題になりはしないだろうかと私は疑問に思っています。
カマキリも見つけました。草の上にいると見つけにくいです。
このように草刈り(草抜き)作業は、やっつけ仕事のようにして行なうのではなく、色々な生きものたちや自然の様子にふれながら、楽しく行なうことが大事です。