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自然環境と調和した持続可能な社会を!

by NACS-J認定 自然観察指導員 松田 照之

2018年5月6日に行ったおたまじゃくし救出(1)横浜市のカエルの現状

2018年05月08日 12時53分29秒 | 新カテゴリー:4.初夏の活動、プールのヤゴ救出


2018年5月6日、篠原園地でおたまじゃくし救出をしました。



私が篠原園地で活動を始めたのは、2004年6月のこと。初めての活動はプールのヤゴ救出でした。
プールにはカエルも産卵に来るのですが、「子カエルが庭に入ってきて気持ち悪いので、プールのおたまじゃくしを駆除してほしい。」と近隣の方から苦情があるということで、当時の管理人さんが、プール前の小さな広場に穴を掘って、そこにおたまじゃくしを移していました。
殺すつもりはなかったのかもしれませんが、無事に育つような状況ではありませんでした。
そこで、プールのヤゴ救出とともに、おたまじゃくし救出も行なうようにしたのが始まりです。
後日、このblogで別の記事でお話しますが、ビオトープ池を創ったのも、こうしたことが大きな理由の一つでした。



横浜市にはいろいろなカエルが生息していますが、篠原園地にも生息するヒキガエルも明らかに生息数が減ってきているそうです。
カエルだけではありませんが、「カエルなんていなくていい。カエルの生息環境なんてなくてい。」と思うことが、自然を壊し、生きものたちを絶滅へと追いやる原因となるということを理解してほしいというお話を現地でさせていただきました。



ツツジが4月中に花を咲かせて、もう花を落とし始めているくらい、この春は暖かかったです。
そのためかプールに入ると、4月の下見ではたくさんおたおたまじゃくしが、もうカエルになってプールからいなくなっているようでした。
まだプールに残っている子カエルや、ヤゴなどの生きものを探しながら、プールの生きものについての色々なお話を聞いていただきました。
おたまじゃくしがあまりいなかったため、次に6月に行なうヤゴ救出の準備にもなるような活動にしました。



参加者のみなさんで生きものを探している中、「ゼリーのようなものの中にカエルが入っているのが見つかった。」という声があがりました。
見せてもらうと、子カエルの死体がゼリー状のものに包み込まれていました。
このゼリー状のものは生物膜と呼ばれる、細菌類(バクテリア)の塊り(かたまり)です。
生きものの生息する健全な水の中には、善玉の細菌類(バクテリア)もいて、それが動物のフンや死体を腐らせることなく綺麗に分解してくれるのです。
人間の飲み水としては適さないかもしれませんが、これは生きものが棲むためには、なくてはならない働きです。

生物膜に包まれた子カエルの死体は、いくつも見つかりました。
プールは水面と陸上との段差が大きくて、這い上がれないものもたくさんいるのでしょう。
這い上がることのできたものも、陸上に出れば天敵がたくさんいます。
大きくなれるカエルはほんのわずかなのです。
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