版画草子 All That Print Work

自作版画作品と日常の写真を日記形式で紹介してゆきます。
(画像の無断使用は固くお断りします。)

お墓参り

2011-08-29 12:04:10 | 作品 Works


震災不況は業種によっては かなり深刻な状態に進んでいる様です。
私の関わるあるサイン関連会社は 全員給料三割カット....
倒産・業務整理も続出.... 

放射能問題も解決に向けて確たる見通しも出来ていない様ですし.....

読売新聞によると首都圏直下型地震の可能性も大きくなってきている様で.....

いい事ありませんな....



重苦しい雰囲気の中 特に関係はないのですが 今回は我が家のお墓のお話

母が亡くなってすぐ 15年程前 友人の勧めもあって我が家のお墓を建てました。



札幌から定山渓へ行く途中にある「簾舞霊園」です。
冬には北キツネやうさぎ もしかすると春や秋には熊も来るのではないかと思われる程の 自然のまっただ中にあります。

今年は娘夫婦がお墓参りに行ってくれました。
その時の写真です。



お墓の前方には地元人が言う通称「おっぱい山」という山並みがつづく 見晴らしのいい所です。

このお墓は お墓というよりメモリアルとして 水落のイメージ「水滴」をモチーフに 私がデザインしました。
左下にも小さな水滴を置きました。(猫用です)

このデザイン図を見た札幌の墓石屋さんは最初 
先の細いところまで「むく」の石から削り出すのは難しいから無理だ 
それにこの様な墓は見た事が無い と言って 渋っていましたが
何とか説得して 作ってもらいました。 

すぐそばには 墓地を勧めてくれた中学からの友人の墓も建つ予定です。
私が死んだら この墓の上空で 友人共々 
おっぱい山を見ながら 笛を吹いて うさぎや狐と遊ぼうと今から愉しみにしています。

死後のイメージがこの様に楽しめると 
死なんて 怖いどころか かえって憧れますし 待ちどうしい気分です。



さて 今回は<今日の花>をお休みして NORIKO先生から送って貰った花をお送りします。
ダリア3点です。









ダリアは江戸期には「天竺牡丹」とも言われて盛んに栽培されたようですが
最近はこちらではあまり見かけないのが残念です。



次回は久し振りに 相方の料理編を予定しています。 


<業務連絡>
ミコちゃん その節は本当にいろいろお世話になりました。
遅ればせながら ありがとうございました。




シルクスクリーン版画「花シリーズ」第6作 Iris

2011-08-25 10:44:51 | 作品 Works

虫の声が一段と大きくなってきた今日この頃です。
我が家では家の中までコオロギが入って鳴いています。
ボロ屋ならではの風情で 私は気に入っています。
We‘ve heard the sound of insects more loudly these days.
Crickets are chirping even in our house (hut?).
A run-down but all the more quaint house. I like it.

と言ったところで 花シリーズ 第6作 「あやめ」です。
This is the sixth flower of the series. Iris
5月13日に掲載した原画



原画を描いているときは シルク版画にするのはかなり手間がかかって難しそうだなと 思っていました。
梅と同様古来 日本の多くの画家に描かれてきた素材で 名作も多いので 
自分なりのあやめに仕上げられるか ちょっと腰が惹けましたが 挑戦してみました。

こちら
When drawing it, I thought it would involve a lot of time and effort to make silkscreen print.
Like Ume blossom, Iris has been depicted by many painters through the ages in Japan.
There are so many masterpieces that I was wimpy a bit.
I wondered if I could make MY Iris. But I tried.


292×162mm ED 70 15色31回刷り
92x2162mm ED70 15 colors 31impressions
今回の「あやめ」 色のバランスをとるのに 難儀しましたが
苦労した分 私なりのあやめになったように思います。

いかがでしょうか。
I had difficulty balancing colors, because of that I think it became my own Iris.




さて 夏も終わりに近づいてきた様ですが 札幌からも今年の夏を惜しむ花便りが着きました。
It seems that the summer has come to an end.
The images that are traces of the summer have arrived from Sapporo.


丘珠空港近くの道路沿いで見かけたひまわり畑です。
A Field of Sunflower along the road close to Okadama Airport
photo and comment by NORIKO



反対側の道路から見ると、ものの見事に”あっち向いてホイ!”です。

From the back side

NORIKO先生ありがとうございました。

Many thanks to Dr.Noriko






版画家 渋谷栄一さんを偲んで

2011-08-22 10:30:20 | その他 Other

2~3日前から急に涼しくなりました。
温度差10℃以上はちょっと身体にこたえますな。
でも38℃よりは よっぽどいいですが。

今回は 先日8月12日にお亡くなりになりました
版画家渋谷栄一さんを偲んで少しお話いたします。

渋谷さんは 春陽会・日本版画協会・全道展の各会員を長い間されておりまして
特に北海道では戦後まだ銅版画が珍しく 道具もそんなに無い時代に
先駆的な作家として多くの人に影響を与えた方であります。

華麗でリズム感のある 踊る様な曲線が特徴の数多くの色彩銅版画を発表されました。

まず その作品から


1998年第75回春陽会展に出された作品(その画集より拝借)

北海道の方なら見覚えのある作風ではないでしょうか。

渋谷さんとは 私が全道展の会員になる前後にお会いして
いろいろ版画家としてのアドバイスを沢山いただきました。

「水落君 エディションは多くつけておいた方がいいよ 将来必ず売れるから」
(何と魅力的で魔術的な励ましの言葉だったことか)

「銅版のアクアチィントは潰れやすいからメッキして保存した方がいいよ」
「メッキした方がカラーインクが濁らなくていいから」
(当時私もアクアチィント技法主体の銅版を制作していました)

またかつて 相方がお会いしたときも
「もう少しの辛抱だからね」 と言って下さったとか.....
(今だに辛抱していますが.....)

(もう少しってどのくらいなのかなーとその時思いました。
そして、もう少しのままうん十年経ちました。
”芸術は 永し”と言う言葉をかみしめています・・・・相方)

創作者としては作る楽しさ 鑑賞者としては観る愉しさの重要性も教えていただいたように想います。


以来30年以上 毎年年賀状をいただいてきました。



左が1983年 右が今年いただいた年賀状
(この2~3年前位の年賀状以外 すべて 若き日巴里で学んだ頃の情景と思われるスケッチが描かれていました)


この数年 体調がすぐれないようだと伝え聞いておりまして 
どの会にも出品されていなかったので 気になっていましが.....


享年82歳 心からご冥福をお祈りいたします。










シルクスクリーン版画「花シリーズ」第5作Ume blossoms

2011-08-12 10:31:59 | 作品 Works


お暑うございます。

昼日中 我が町を車で走っても 人が少なく 活気もなく 暑さにうち拉がれている様な感じです.....
震災不況 そんな状況がこちら関東にも ひたひたと浸透しているんでしょうか.....
我が家も 出来る事なら「赤字国債」ならぬ「赤字家債」なるもの発行したいくらいです.....  誰も引き受けないか.....

How have you been in this awful summer heat?

Driving around our town in the daytime, I see few people and feel lifeless.
It seems people are overwhelmed with the heat.
Is the recession by the earthquake disaster penetrating the Kanto area?
What if I issued deficit covering family bonds like the government does?


と言った所で 今回は「花シリーズ」の5作目「白梅」です。

まず その原画

This is a drawing of Ume blossoms.



3月21日に掲載した原画を元に 改めてシルク作品用に書き直しました。

こちら
I drew this based on Ume blossoms posted on March 2nd for silkscreen prints


この時までは 1本の木に白と赤の梅を咲き分けに描こうと考えていましたが
実際にはすべて白梅に変更しました。
(このあたりから すでに迷いがあった様です)

I intended to depict both red and white blossoms in one tree until then.
But I made them all white.


292×162mm ED 70 10色12回刷り 赤貝箔使用

92x162 ED70 10 colors 12impressions used Red shell leaf
花や蕾にリズム感があって 楽しげな梅になったのですが
しかし今回は 妙に戸惑いがあって ちょっと気になったので
全体の色を変えて 作り直してみました。

こちら

I thought the blossoms and buds were rhythmical and looked fun, but for some reason
I hesitated to finish it off. So, I remade it changing the colors.


同上


同じ版で色を変えて制作することは ままあるのですが
最初の原画の「詰め」が甘いというか イメージが定まっていない結果なのだと思います。

ただ 今回の梅は2点とも 完成度は高く仕上がったので このまま発表するつもりです。
I sometimes make two prints in different colors from the same design.
Perhaps I haven’t enough boiled down to the idea
However, since I’m satisfied with the finishing, I’ll show both of them.




さて 6作目の紹介はお盆開けにすることにしまして このブログも暫く夏休みに入る事にします。
再開は10日後位を予定しています。

皆様も良い夏休みを!

I’ll suspend the blog for time being, perhaps resume it in 10 days or so.

Happy Summer Holidays!


<業務連絡>
函館のおじさん おばさん 先日はありがとうございました。
あってはならぬ程の贅沢をさせていただきました。
私も相方も果報者です。






シルクスクリーン版画「花シリーズ」第4作Kobushi Magnolia

2011-08-08 09:36:34 | 作品 Works


今年は何故か少ないと心配されていた蝉も この暑さで盛り返して盛んに鳴いています。
何かにつけ放射能が頭をよぎる日々はいつまで続くのでしょうかね.....

さて 私のブログでは3月21日より 少しでも心休まる様にと
花のスケッチをシリーズにして 掲載してきました。
その中から今回3点を選んでシルクスクリーン版画にしてみました。
以前掲載した花シリーズ 「虞美人草」「Calla」「百合」つづく第4作になる「こぶし」をご紹介します。

その前に 原画を
We’ve been concerned about fewer cicadas this summer for some reason.
But I’ve come to hear they sing as the summer heat regains.
I wish I got out of the habit of linking things to the effects of radiation.

I’ve posted sketches of 19 flowers hoping for soothing someone since March 21st.
I picked three flowers among them and put out silkscreen printings.



花のスケッチは19作になりますが その中からシルク版画として魅力のある絵になる花を選びました。


シルク版画にした「こぶし」です。
I chose them because they are good for silkscreen method.
This is Kobushi Magnolia


292×162mm ED 70 9色32回刷り 赤貝箔使用
292x162mm Ed70 9colores 32 impressions Red shell silver leaf.
色数は少ないのですが 花の柔らかさ・生命感を出したくて
花びら1枚1枚を刷り重ねる方法をとったので 刷り工程が多くなりました。

また 堅い蕾から開花までを1枚の画面に描いて 
時間の推移 あるいは 自然の力強さが出せればとの想いで制作しました。
 
いかがでしょうか。


I didn’t use many colors, but to provide softness of this flower and a feeling of vitality,
I printed petal by petal.
So it took many a time to accomplish.

I wanted to express a stream of time and nature by depicting them from an early bud to bloom
in one picture.
How do you find it?



次回は「白梅」です。





2011 札幌大通りビアガーデン

2011-08-03 09:47:31 | 作品 Works


今回はNORIKO先生から送ってもらった札幌夏景色 毎年恒例となった大通り公園のビアガーデン特集です。

では 早速


photo by NORIKO

凄い人出ですね。
このビアガーデンに NORIKO先生と相方が連れ立って行ったそうです。 羨ましい!


(野外ビアガーデンもサッポロ、キリン、サントリーと三社あり、それぞれ趣が違っていました。 先生談)



キリンビールコーナーのおつまみメニュウ

(サントリービールコーナーのメニュウでは 道外メインの会社のせいか、
 おつまみの「ザンギ」が「唐揚げ」になっていました! 先生余談)

鳥の唐揚げを「ザンギ」って云うのは 北海道だけなんですよね。
どこから来たのかは 諸説あって判らない様です。
ザンギにこだわるのは 道産子の証拠です。




これが上のキリンビールのメニュウに出ている「びっくり タワーピッチャー」で4Lと6L入りがあるそうです。
いいですね! 憎い演出です。




装置的にはキリンの勝ちですな。



「ビール大好き」の相方はさぞ満足したことと思います。
でも 歩行練習・筋肉強化のリハビリ中なんですけどね......
その相方は明日帰ってきます。

先生お世話になりました。



で <今日の花> は 名前の判らない 小さな小さな野花です。



1cmにも満たない花なのですが 風に揺られて 何だか楽しそうに咲いているのに 心惹かれました。