HAYASHI-NO-KO

雑草三昧、時々独り言

ナギイカダ(梛筏)

2021-01-18 | 冬 樹木 果実・葉

数年前には枯死寸前だったこの場所のナギイカダ。
少しずつ元に戻りつつある。
去年春にはしっかりと花をつけた。
この場所にやってくると必ず寄り道する女房殿は
今日もしっかりとヒョウタンボクのように二つ繋がった果実を見つけていた。
(実際には葉ではなく、葉状枝と呼ばれる枝)がマキ(槙)の仲間のナギ(梛、竹柏/Podocarpus nagi)に似ているから
葉を筏に、その上にちんまりと乗っている蕾を、筏を操る人に準えてナギイカダ。
雌雄別株だけれど、園芸種には一本でも果実を結ぶ種類がある。


















▲ 花弁は中心部にめしべ、花弁は内側3枚(花びらに当たるもの・内花被片)と外側3枚(萼片に当たるもの・外花被片) ▼

ナギイカダ(梛筏)
 キジカクシ(←クサスギカズラ  ←ユリ)科ルスクス属 Ruscus aculeatus
APGⅡ準拠の分類体系ではクサカギカズラ科として独立、現在はキジカクシ科に分類変更されている。

【ナギイカダ詳解】

花被片6枚 外側3枚は楕円形(萼片に当たるもの)、内側3枚は細長い(花弁に当たるもの)
赤紫部分が子房、雌しべの花柱は短く、退化した雄しべ(仮雄しべ)の花糸が薄膜状になって子房を覆っている。
仮雄しべの先端の白色のひだ状のものは、退化した雄しべの葯と思われる。

花被片6枚は、外側3枚と内側3枚でサイズが違っているのは
同属のルスクス・ヒポフィルム(Ruscus hypophyllum 種小名は「葉下面に生ずる」の意)も同じ。
こちらは、ナギイカダのように棘状にはならないので、花材に利用されることも多い。
花は両面いずれか、たまに両面に咲き、雌雄異花、おしべは合着(雄蕊筒)中にめしべが隠されている。
一度、加西で温室育ちを見たけれど殆ど結実はしない。
(2021.01.17 森林植物園)

ハナイカダ(ハナイカダ科←ミズキ科Helwingia japonica)は花柄が葉の中央脈に合着したもの。
ナギイカダ、ルスクス・ヒポフィルム(ルスカス・ハイポフィルムと書かれることも)は枝が葉のように見える(葉状枝)。

 
 ▲ ハナイカダ  ルスクス・ヒポフィルム(葉の下に花が普通だが両面に花、こちらはナギイカダ同様実際には葉ではなく枝、二つ咲くものもある。) ▲
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去年のナギイカダ ナギイカダ(梛筏) ハナイカダ ハナイカダ ハナイカダ



2 コメント

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とても素敵ですね💖 (こいも)
2025-01-11 01:35:36
林の子さんへ
新年早々に素敵なものを見させていただきました。
興味津々です。
今後も、もう少しお花を観察できたらと思っています。
ありがとうございました。
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花も葉も。 (林の子)
2025-01-11 11:03:47
確かに不思議な姿ですよね。
ブログに上げられたルスクス・ヒポフィルムもそうですが、
葉のように見えるのは茎の変化したものなので
そこに花が咲くのは当たり前のことかも知れませんが
一寸目には、葉の上に花が咲いているように見えてしまう…。
愉快な姿も、植物にはいろいろあるなぁ~ですね。
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