うんたま森のキジムナー

マラリア

パイナガマビーチ付近では、オカルト話が多い。
霊の通り道だと言う人もいれば、昔、斎場があったので、
その手の話にはきりがない。

オバァから聞いた話。
戦争が終わって、疎開していた人が引き上げてきて、
そして台湾へと帰る人たちがいた。
戦時中、八重山は地上戦は行われていない。
艦砲射撃がすごかったそうだ。
艦砲射撃を避けるために多くの人が西表や石垣島の北部に
逃げた。琉球王朝の時代からその地域に移住すれば
全滅すると言い伝えられてきた地域。

この地域にはマラリアを媒介するハマダラカが多く、
その地域に逃げた多くの人がマラリアに感染した。
西表島ではほぼ全滅状態だったらしい。
このマラリアに感染した人が宮古島にも多くいて、
そして感染した人も戻ってきた。

その亡くなった人や亡くなりそうな人たちがパイナガマビーチ
周辺に集まっていたとオバァは言う。マラリアに感染すると
脳がやられ奇声を発する人やおかしな行動をとる
人がたくさんいて、それはひどかったらしい。
そういうこともあって、パイナガマでは霊に乗り移られたとか、
尾ひれがついた話が拡大してオカルト話が
いくつも出来たと言う。
戦後、マラリアは撲滅された。

ニュースを見ていたら、今度はテング熱が発生していると
報道されている。ワクチンがないので、自然治癒を待つ
しかないとか。天気が良くても、時折来るスコール!
蚊が多くてかなわない。
蚊取り線香をつけても、蚊がその上に乗っかっている。
やっかい、やっかい。


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