うんたま森のキジムナー

犬好き

知り合いに、犬好きな人がいる。この人の犬好きは、
たくさんの人が知ることでよく家の前に犬が捨てられたりして
困っていると言っていた。よく家の前に犬が捨てられていると
言う話を聞くので、いったい何匹の犬を飼っているのか
聞いたことがある。

飼っていると言えば飼っているし、飼っていないと言えば
飼っていない。つまり餌はあげるけれど、首輪をしたり
クサリにつないだりはしていない。
不思議なことに、次から次へと犬がやってはくるけれど、
そんなに増えてはいかないそうだ。

役所の野犬狩りで連れていかれても引き取りに行くことも
ないし、犬の社会ではある程度増えれば、出ていったきり
帰ってこない犬もいるという。

島には動物病院もある。犬は保険などないので動物病院に
連れていけば多額の治療費がかかる。この人のところには
犬の相談だけではなく、怪我をした犬や病気の
犬を連れてくる人も後をたたない。
人間に対しての医療行為は医師の資格がいるけれど
犬なので、どうだろう・・・
ワクチンを接種したりするようなことをするわけではないので、
民間治療と言うことになるのだろうか。

魚を食べた犬が泡を吹き倒れた。
飼い主が「なんとかならないか?」と連れてきたそうだ。
「で、どうしたの?」と聞くと、なんと、海に連れていって
海に投げ込んだ!するとさっきまで、息も絶え絶えそうだった
犬は必死で泳ぎだした。
しばらく泳がせたら治ったそうだ。
「これで毒は抜けたから大丈夫!」
たまたま、助かったからよかったけれど、
「もし、溺れたらどうするの?」
「出来ることと出来ないことがあるさぁ、神様じゃないんだから」

私はこの人と友達だけれど、ウチの犬は動物病院に
連れていくことにしている。


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