3月13日、台北市の二・二八紀念館に行ってきました。見学が終わったところで、ボランティアの老師から声をかけられました。30分ぐらい質疑応答させていただき、日本統治時代には、差別があったお話をしてくださいました。許可を得てビデオをまわさせていただきますと、その話に水を向けても、「日本はインフラ整備などをしてくれて、よかった」という話ばかりになってしまったように思うのですが、差別があっても、日本統治時代は、その後の白色テロの時代に比べ、「ましだった」というのが、本音に近いのかも知れません。
話が前後して聞きづらい点もあるかも知れませんが、皇民化政策の下、日本語教育を受けた老師が日本との関係について、今、どのような感慨を持っていらっしゃるのか、一端を知る事が出来ればと思い、迷いましたが掲載することといたします。台湾には外省人、本省人(内省人)、多くの民族等、いろいろな立場の方がおり、政治的な立場も当然違います。小林よしのり氏が台湾への入国を拒否された事件なども、遠い記憶の中にありますが、当時、関心もなく知ろうともしませんでした。これほど複雑な台湾の歴史は、どの立場の人が記述するかで大いに変わってしまう。もともとインタビューする予定などなく、遊びで来た台湾です。たった一人のインタビューでは何もわかりません。しかし、歴史を動かした「大きな人」ではなく、歴史に巻き込まれた「小さな人」、個人が、歴史をどのように受け止めてきたかを知ることは、個人の歴史の集合体から歴史を俯瞰し、歴史の真実に近づける気もいたします。集合体の一人という事で、18年間、ボランティアをなさっている張さんのお話を聞いていただけたらと思います。ホームページ「アーカイブス 中国残留孤児・残留婦人の証言」の「周辺の証言 二・二八紀念館 ボランティア 張さん」です。http://kikokusya.wix.com/kikokusya#!blank-1/tobf5