今日の東京新聞に、中国残留婦人裁判立ち上げ時にご一緒した石井小夜子弁護士が少年法改正について取材された記事が載っていました。厳罰化が再犯抑止に役立つという考えには疑問を呈している。「少年法は教育基本法、児童福祉法と共に子どもの育ちを支援する法律として、戦後の日本国憲法下で定められた。一時の世論や熱狂で変えていいはずがない。大人の側が問われているのです」と。
日中国交回復後の中国残留孤児の帰国ラッシュ後、受け入れた日本側には何の施策もなかった当時、残留孤児二世三世の非行や事件が頻発した。石井先生は、ほとんど手弁当に近い形で彼らの弁護をした。その時も、「問われているのは日本社会なのです」と主張されたように記憶している。
当時の残留孤児二世三世が置かれていた環境を、残留孤児二世のシンガーソングライター小山卓治さんの「イエローワスプ」という楽曲を聞いていただくと、端的に理解していただけるように思う。YouTubeで聞くことができます。 https://www.youtube.com/watch?v=JXv2uXWySsM
中国残留婦人裁判は、中国残留孤児国家賠償訴訟の先行裁判として、NPO法人中国帰国者の会の会長 鈴木則子さんを原告に裁判が行われたが、孤児裁判に隠れてあまり知られていないかも知れない。しかも先日石井先生からの手紙で、裁判記録が破棄されたと知った。今となっては中国帰国者の会のホームページでしか、知ることができなくなっている。
ずいぶん昔のこと、これこれ20年以上前のことですが、中国残留婦人裁判立ち上げの相談で、鈴木則子さん、中国帰国者の会の事務局長長野浩久さん、庵谷磐さん、岩田忠先生、石井小夜子弁護士等と集まりを持って、会の後、カラオケ店に行った時、石井先生は、岡林信康の「私たちの望むものは」を歌われた。 https://www.youtube.com/watch?v=3SP1uzBdGKk
去年の献本(『不条理を生き貫いて 34人の中国残留婦人たち』)の時に、そのことに触れたら、先生は「今でも時々歌っています」と。2番のアンビバレントな歌詞も含めて、いや2番があるからこそいい歌だと思えて、私も時々歌っています。