ドクターイエロー関ケ原において 国会も安全なドクターにお願いしよう。
自民党総裁選は、対立候補がなく無投票で、安倍首相が再選されるようです。新安保法案の違憲性を主張して憲法学会、政治学者・各界著名人を始め、弁護士、母親の会、SEALDs、「ミドルズ」など国民の多くが総力を上げて法案阻止を訴えています。
安倍総裁の再選で政府与党は一糸乱れず、9月に成案を目指します。一方の反対派は、新安保法案では戦争に巻き込まれる危険性を強く意識しています。憲法第9条を堅持して、新安保関連法案に強い反対をしています。
緊急性はないのに、国際情勢の変化を理由に日米同盟の片務性の立て直しのため安保法案の改正が必要であるとする政府説明は、戦争への道を開くのは嫌だ、憲法を守れ、自衛隊を外国へ派遣するな、新ガイドラインはテロの被害を受けるとする国民を納得させていない。
新日米ガイドラインを結び、安倍政権が米国政府と日米防衛協力のための指針を定めたのは、中国との尖閣諸島領有権対策、北朝鮮のミサイル発射実験への対処のため、一方の米国は世界でのテロとの戦いに日本の協力が必要だからです。
世界は今、これまでの常識を超えた事態の連続になっています。米国はコソボへの攻撃やイラク戦争など、国際法の前提を無視した戦争を続けています。国連の常任理事国も円滑に機能してないからですが、国として認められていないISのテロ行為を絶滅する為に、日本が米国の片棒を貸すことが、どんなに危険であるか分るはずです。
米の狙いは「平和憲法の国」日本を味方に欲しいのです。日本は、平和憲法の下で維持して来た専守防衛の原則を変更して、第3国からの攻撃に対処するための後方支援とはいえ、集団的自衛権を行使してまで、戦闘行為ができるようにしなければならないのでしょうか。
新安保法案により、同盟国への後方支援として戦闘行為に入ってしまった時、交戦場から離れることができるのか、仮に戦闘行為を回避できるとしても、この場合、集団的自衛権の信頼性はどうなるのか。戦闘行為に巻き込まれた場合には、戦争に進むことしかありません。
若い国会議員が経験しない戦闘行為を、国会で想像を交えて縷々説明されても、大東亜戦争で日本軍隊が行ってきたことは、国会の論戦とは異次元の戦場だと言えます。80%の法学者が違憲だと言っている法案です。与野党の全議員は戦前の歴史をもっと勉強すべきです。
自衛権行使の地域的範囲については、極東や北東アジアであれば、周辺事態法で対処できることです。個別的自衛権を変更する必要は有りません。
政府は、自衛隊を中東へ派遣して、イランによる敷設を念頭にホルムズ海峡での機雷掃海を挙げています。しかし、これも今年、イランが核開発計画を放棄し欧米と条約を締結したことから、自衛隊が機雷掃海の必要もなくなりました。
自衛隊派遣の範囲は、魚雷除去の必要性がなくなっても、政府は世界のどこまでも米国と出かけて行きたいようです。武器輸出三原則についても、なし崩しで日本で作った潜水艦、航空母艦をイエメン等外国に輸出を始めています。
武器輸出は、アベノミクス経済の低迷で、日本経済の成長策であるかも知りませんが、戦後70年の努力で「平和国家日本」の印象を世界から受け、信頼されていることを忘れないでほしいと思います。
最早、多くの国民からすれば、存在するだけで「戦争の危険が増す安保関連法案」の説明は全く必要でありません。安倍総裁再選後の9月に強行採決されるのを待っているだけの法案を、国費を使って審議して欲しくありません。
肝心なのは、憲法の解釈です。憲法に反する閣議決定で提出された安保法案を、なぜ、国会が審議するのですか。違憲立法審査権は裁判所において判断しますが、国会は憲法を正しく運用すべきです。平和憲法を守るのは、国民でなくて政府と国会です。
自民党の安保政策は、国民の意識とずれています。国会は議席数の上では多数党です。しかし、現政権与党のは得票率は比例区で17%、小選挙区の得票率は24.4%に過ぎません。選挙に棄権した人は約半数の47パーセントいましたから、有権者全員だとしたら自民党支持者は、 20%×53%=10.6%で安倍内閣支持は1割です。
与党は国会で多数党であったとしても、新安保法案は違憲性の疑いがあります。日本の未来をつなぐ若者と投票できる未成年者の8割が安保に反対しているとの世論調査のあります。 もっと真面(まとも)な議会運営を望みます。
蘇生
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