華やかな中にバラが咲く
政府は安保関連法の施行の前に、防衛装備移転3原則を制定して武器輸出禁止政策を転換しま した。
本来、自衛隊の潜水艦は、日本近海において専守防衛のため使用されるものです。
南シナ海などで海洋進出を進める中国をけん制するため、日米豪の安全保障協力を深化させる狙いから、政府はオーストラリアへ海自潜水艦「そうりゅう型」を輸出しようとしました。
しかし、オーストラリア政府は輸出経験が豊富なフランスの原子力潜水艦を共同開発の相手国に選定しました。
政府は潜水艦の輸出には失敗しましたが、海上自衛隊は、先週12日には護衛艦「ありあけ」を南シナ海に面するベトナムの軍事要衝カムラン湾の国際港に寄港しました。
カムラン湾は、ベトナムと中国などが領有権を争う西沙・南沙両諸島に近いところで、日本とベトナムは防衛協力を発展させて、南シナ海の軍事拠点化を強める中国をけん制する狙いがあります。
専守防衛の一線を越えて、集団的自衛権を目指す安倍政権の姿が、大東亜領有権を目的にした80年前の日本軍国主義政府を見るようです。
安全保障関連法の施行を機に、軍事力強化を目指す防衛省と国内の研究機関が技術交流する研究協力協定に基づく研究が急増しています。
この軍・学共同路線は、安倍内閣が国家安全保障戦略と防衛計画大綱を閣議決定した12年暮れに始まり、15年度には大学や研究機関との防衛生産・技術基盤戦略を策定しました。
3年間には23件の研究協力が締結されました。
政府や防衛省は、大学や研究機関の研究者が持っている高度な技術を武器開発に取り込みたいのでしょうが、大学や研究機関の技術は本来、軍事や国家のためでなく、人類・社会の平和目的に役立てるものです。
大学の高度の技術が公然と軍事研究に使われるようになり、防衛とは名のみの国防軍=軍隊のための戦力に利用することは、非常に危険です。
政府の安保戦略と軍拡政策に、大学が利用されることに無神経であってはいけません。
大学の自治・学問の自由を失います。個人の思想および良心の自由と言論の自由が保障された上に、学問の自由があるのです。
新聞・テレビの報道の自由が問題になっているこの時期に、大学に自衛隊が関与してくることには、武器には秘密保持があり慎重でなければなりません。
国会で成立した、本年度防衛予算は、前年度より740億円1.5%増額しています。
民生予算が厳しい状況の中で今年は、無人機グローバルホーク、輸送機オスプレイ、ステルスF35戦闘機、新空中給油機、哨戒ヘリコプター、最新悦イージス艦、潜水艦の建造が予算に含まれています。
自衛隊の「専守防衛」任務が、「集団的自衛権」の新安保関連法施行までの25年間にどのように変わったか、おさらいします。
91年。 ペルシャ湾に海上自衛隊の掃海艇を派遣して、自衛隊としては、海外で初めてとなる活動として機雷除去を行いました。
2000年。 イラク戦争、アフガニスタン侵攻の米国の戦争に人的貢献を求められて、海上自衛隊がインド洋で給油活動を展開しました。
イラクでは人道復興支援の名目で、陸上自衛隊が他国の領土で給水や道路補修に従事する。
07年。 航空自衛隊は国連平和維持活動(PKO)が本来任務となり、積極的に参加して、 南スーダンやネパールへ自衛隊員を派遣し、現在も継続しています。
13年。 韓国軍に弾薬の提供ができるようになりました。
15年。 北朝鮮の核開発問題を契機に、米軍と自衛隊の任務を定めた「日米防衛協力のためのガイドライン」を改定しました。
「朝鮮半島有事」での自衛隊活動を追加するとともに、自衛隊が他国での武力行使が可能になり、米軍を支援できるように周辺事態法を作り替えました。
この自衛隊の任務拡大を見て来てきました。この拡大により、自衛隊が紛争地に近づいたり、銃や武器を使用する危険が増大したことが分かります。
日本が世界中の紛争地に出かけて行って、安倍首相の「積極的平和」が守れるのでしょうか。
米中枢同時テロ以降、世界中でイラク戦争やアフガニスタン侵攻、シリア内戦、ウクライナ紛争などの地域紛争が続いています。
このような不安定な世界状況の中で、G7各国も自国の都合で領土・領海紛争を主張するだけでは、核兵器・大量破壊兵器の削減や解決策を出せず、話し合いで譲り合いうことをしません。
地域紛争はISテロ、難民問題、貧困、差別化が進み、最早、中東のだけの問題で無くなりました。
欧州、米国、ロシアをはじめ主要先進国自体の問題になって来ました。
米国の大統領選挙、イギリスのEUからの脱退問題、スコットランドの独立住民投票、クルミア独立におけるロシアと、難民の貧困と差別の構造を断ち切らなければ安定しないでしょう。
1千万人の小国ベルギーのブリュッセルがテロ実行犯の供給源です。
ブルッセルのモレンベーク地区居住者の多くがイスラム系移民で、ベルギー社会に溶け込めず、仕事に就くにも差別を受け、食い扶持を求めるとはじき出され、社会へ敵意を燃やして過激思想に染まるようです。
欧州全体で過激派治安対策を強化しても、ISが狙うのは市民の分断と混乱です。テロを防ぐには、テロに走る若者を造らないための取り組みが必要です。
インターネットが全世界に繋がり、情報は一瞬にして世界で差別を受けている過激派の第2、第3世代の若い活動家に伝わります。
資本主義社会には金が溢れ、生活に必要な物に不足はありません。金融市場と世界中のゴミ処分場を見れば、それは明らかです。
世界の大富豪62人の総資産が、世界の人口の50%31億人の資産を匹敵しています。富豪の資産を世界中の難民救済に回せば、難民とならず生きて行くだけの生活費は充分に分けられると思います。
資本主義経済の破綻の中で、日本の伊勢志摩で26日からG7主要国首脳会議が開かれます。
7か国の首脳は25年前のイラク戦争の頃までは軍事力、核兵器、化石エネルギー、経済力に任せて、強引に紛争や問題を処理してきました。
昨今、僅か2万人のイスラム国ISが、世界中に網を張って活動している中で、その組織の供給源が難民や移民である以上、自国の財政出動や経済成長力を議論しているいる時ではありません。
G7主要国首脳は何を置いても、難民の差別と貧困を無くする対策を協議すべきです。
主要国の財政対策で自国の財政出動を求めている日本の首相の意見には呆れます。
経済成長によって生活を今以上に豊かにする必要がどこにあるのです。将来の成長を望むことは子や孫に大きな借金を残すだけです。
日本が主要国だと言うのであれば、失敗した経済対策を繰り返すのでなく、欧州に生活している移民やシリアやアフリカの難民対策を急がなくてはなりません。
日本人は、70年間平和憲法の下では、平穏で 幸せに暮らせました。
G7の伊勢志摩はテロに怯えて治安警備に血眼になっています。
G7サミットの地元「中部ESD拠点協議会」は、持続可能な経済発展を促す提案をしています。この中で大量生産、消費社会による格差拡大を批判しています。
G7がテロに怯えていては、主要国とは言えません。何も解決できませんと言うのと同じです。世界中が期待しています。議長国の首相にお願いします。
軍拡でなく、難民の差別と貧困を無くする対策の協議を進めて下さい。
蘇生
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