秋のコンサートシーズンの、演奏曲の中に
ベートーヴェンの「32の変奏曲」を
入れることを予定しています。
この曲は大学2年生の前期試験で、
一度、演奏したことがあります。
その時の記憶が少し残っていました。
大学2年の夏休み、本気を出して
練習していました。毎日かなり
ハードな練習だったです。
さて、この曲は演奏時間だいたい
12、3分の長さの曲です。
一応試験なので、全員の学生を公平に
採点するためでしょうか?
試験の2週間前になって、
こんな指示がありました。
「演奏時間10分以上の曲を演奏する人は
ステージ出入りを含めて、
10分以内に収まるよう
曲をカットして演奏するように。」
試験前のレッスンでは、曲の細部の表現に
関して、先生の徹底した指導があるのですが、
この時は、そうではなかった。
32曲の変奏の中で、どの曲をカットするか
そして、どう構成していくか、その相談です。
先生は、「そんな何の変哲もない曲、カットして、
得点に結びつく曲をたくさん入れなさい。」
ここで「得点に結びつく曲」という言葉が
出たことに驚きました。
ま、音大というのは、ある意味厳しい
競争社会なので、そのような言葉も自然に
出るのかなぁと、納得できないこともない。
でも、譲れない部分もありました。
私は、「難しい曲を必死で弾く間に、この
曲を入れたいです。何の変哲もない曲でも
ゆとりできれいに表現できたら、
難しい曲と難しい曲との間で、かえって
生きるのではないでしょうか?」
そんな話し合いがあって、ステージ出入り
含め10分以内に曲をまとめました。
友達の間では、案外このカットバージョン
好評でした。とてもコンパクトに要領よく
まとめてあると言われました。
いや、評価されたのは、カットバージョンの
作成に関してです。演奏自体じゃないですよ。
演奏そのものは、どうだったのでしょうか?
微妙だったでしょうね。
秋のシーズンは、その時演奏したカット
バージョンで弾いてみようと思っています。
今度こそは演奏で評価されたいなぁ。
久しぶりの曲、素敵に表現して皆様の
心に届く音楽を!