ぶろぐのおけいこ

ぶろぐ初心者は書き込んでみたり、消してみたり…と書いて19年目に入りました。今でも一番の読者は私です。

山椒大夫

2006-09-24 09:43:17 | 読んだ本
山椒大夫
森鴎外
角川文庫
   少し思うところがあって、本棚からもう黄色くなった文庫を一冊取り出しました。角川文庫の「山椒大夫 阿部一族」です。奥付を見ると昭和56年となっています。25年ほど前に読んだ本ですね。その中の「山椒大夫」が今回の話題。

  あらすじ   短編小説。大正4年発表。伝説を典拠に創作を加えた「歴史離れ」の歴史小説。残酷性はやわらげられ、倫理的人間を、献身と犠牲によって生かされる美しさと強さに注目して描いた。だまされて山椒大夫に買われた姉安寿と厨子王だったが、安寿は自らの命を犠牲に厨子王を逃がす。運命を切り開いた厨子王は丹後の国主となり、人身売買を禁じ、佐渡で母と巡り会う。(浜島書店 最新国語便覧 2001年)
   と、ヘタに私が紹介するより簡潔に説明してくれるのである。 今回改めて読んで、自分はひねくれているのかなと思いながら疑問が三つほど。
   1 越後の国で、人買いに上手くだまされる四人であるが、この国の国守は「人買いが出るので旅人を泊めてはならない」とする。宿がないので旅人は、この辺りに近寄らないだろう。旅人がいなければ人買いも商売にならないという論理である。しかし、現実に旅人は出現し、待っていたかのような山岡太夫にまんまと連れて行かれるのである。むしろ、人買いとグルになっている国守に見えるのである。これは考えすぎか。
    2 そういう治安の悪い状態だとすると、多少の親切をした潮汲女の存在も怪しい。言葉巧みな人買いの存在を知っていなければ具合が悪いのではないか。これまたグルなのでは。
    3 直江津の国守や、潮汲女や、山岡太夫よりも、肝心の山椒大夫のほうが、ずっと優しく見えるのはなぜだろう。
    どなたか、解説していただけませんか。

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