女のおっさん箴言集
田辺聖子 著
PHP研究所
小説を読んでいてその中の一文や表現が、「これは哲学的だ」とか、「言えてるよなー」と思う表現に出会うことがあります。ストーリーから離れて座右の銘として記憶しておいてもいいと思うような表現です。 おせいさんの小説の中からそんな表現を集めたのがこの「女のおっさん箴言集」。ぐだぐだ説明をせずにいくつか紹介します。
妻というものは、相手が黙っていると、こちらの理の当然に、相手が屈服していると思う種族である。 『星を撒く』(ひろきちや註…へー、そうだったのか)
〈ぼくの思うに人間には二種類あるね。説教する人とされる人。また、こういうてもエエな、説教したくない人と、したがる人。ただし、四十すぎたら、たいていの人間は、みな説教したがるほうへまわるけどね〉 『おかあさん疲れたよ』 (ひろきちや註…へー、気ぃつけよぅ)
(親子だからといって気が合うとは限らない。気の合わぬ肉親は他人より始末がわるい。血は水より薄い、というのが私の持論である) 『猫なで日記』
子供をタガにはめ、人がましく仕上げるのは(子供は、ほんらい野獣のようなものである。子供の純真は野獣のもつ純真である)なみなみならぬ、気力を要求されるのだ。『歳月切符』
人間、やましくなけりゃおしまいだ、と思う。うしろめたい思いをする人間こそ、オトナなのだ!と感じ入ったりする。 『はじめに慈悲ありき』 (ひろきちや註…そ、そうだよなー)
2004年3月
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