国道477号線は、三重県から滋賀県、京都府を通って大阪府まで走る道路です。かなりの酷道らしいということは後で知りました。途中峠から大原に至るまでに367号から分岐して花背方面に向かうはずなのですが、ここでも下調べができていないので分岐点がよくわからないまま大原のバス停を過ぎてしまいました。しばらく走って右折してみました。府道40号線。山越えの道路ではありますが比較的広く走りやすい道路です。
バイクを止められそうなところを探していたら江文峠というバス停があったので、通行の邪魔にならないようにバイクを停めて広域の地図を確認しました。これを走ると鞍馬方面に行けるらしい。鞍馬からどんどん登っていけば花背に行けるはずです。
金毘羅大権現なんて書かれている碑があります。しばらく腰を下ろして休んでいたら、ハイキングの人が二組ほどバス停の横の山道を入っていきました。京都トレイルと書かれています(京都一周トレイルというのが正しいネーミングのようです)。山道が整備されていて、大原から静原方面に向かって歩く人たちのようです。
しかしまぁ、ここのバス停はどんな人が利用するのだろうと疑問を持ちました。金毘羅大権現にお参りにくる人が使うのだろうか。ヘルメットをかぶりながらバス停の案内を見ると、一日に一本だけバスがあるらしい。ということは、金毘羅大権現にお参りに来た人はどうやって帰るんだ?案内をよく見ると、驚いたことにバスが運行されるのは年に一日、春分の日だけだと書かれています。日に一本しかバスが来ないバス停はたくさんあるだろうけれど、年に一本しか来ないバス停はもしかしたら日本で一番過疎なダイヤかもしれません。でもどうして、春分の日なんだろう?この日に何かイベントごとがあるのだろうか。
答えはこういうことだそうです。バスを運行する京都バスは乗客の少ないこの路線をお荷物だと思っていた。しかし、ふたつの名所(鞍馬、大原)を一本のバスで結ぶこの路線はやがて観光客がわんさかやってきて、利用するときが来るかも知れない。というのは、この峠を利用しないで鞍馬と大原を観光しようとしたら国際会館までいったん戻らなければならない。正三角形の一辺で済むか、二辺を通るかというくらい距離が違う。一旦路線を廃止してしまうと、再開には手続きが大変である。そこで、ちゃんと営業していますよという、いわば証拠のために年に1便運行をしているというわけです。こういうのを免許維持路線というそうな。客を乗せることが目的ではないので、大原から鞍馬行の片道だけで逆の運行はありません。また、年に1便しかバスの来ないバス停は、この江文神社を含めて3つあるらしい。バスマニアの間では有名な話だそうで、春分の日にはマニアをさばくために2台のバスが走るそうです。京都バス95系統。なんとも不思議なことですね。そして、そんなバス停に下知識もないままによくここにたどり着いたものです。
(つづく)
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