ぶろぐのおけいこ

ぶろぐ初心者は書き込んでみたり、消してみたり…と書いて19年目に入りました。今でも一番の読者は私です。

肥前の諸街道 街道をゆく11

2007-08-11 16:58:57 | 読んだ本
肥前の諸街道  街道をゆく11
司馬遼太郎
朝日文庫

  肥前に行きました。佐賀県内が中心だったのですが、しばらく滞在しました。
  旅に出るとき、何か本がないと不安です。そこで、旅の直前になると本を何冊か買い込むことになるのですが、こういうとき一番楽な選び方は、司馬遼太郎の「街道をゆく」の行き先版を求めることなのです。
  本当は、出かける数日前から読み込んで、気分を作っていきたいのですが、現実は現実。往路の飛行機の中とか、新幹線の中でやっとページを開くことになります。
  毎回、司馬氏と須田画伯が、旅をするという設定になっています。今回は糸崎半島、唐津から呼子、平戸を通って長崎までの行程です。     自分の今回の行き先とほとんど重ならないけれど、司馬氏のような旅のありようは、こちらの気分をぐっと膨らませてくれます。話題は元寇、堀久太郎、平戸から先は、徳川初期までのキリスト教と、貿易のことです。知らない人物ばかりが出てくるけれども、肥前の気分が盛り上がってくるのが不思議です。
  例えばこんな話が出てきます。
  長崎にやってきたイエズス会によって持ち込まれた南蛮外科(主に腫物治療)が九州に定着したのは、当時すでにあった焼酎という蒸留酒の存在によるところが大きいと。つまり傷の消毒用に、醸造酒である日本酒ではアルコール度数が低すぎるというのです。司馬氏の多方面な知識に、そんなに簡単に言い切っていいのかよと、心配になることもあります。
  私はなにしろ、気分を盛り上げるために読むだけなので、ことの真偽はあまり問題ではありません。知識を得るためではなく、気分を作るために、「街道をゆく」を読むのです。
  写真もなければ挿絵もわずかしかない。旅に出るとき「街道をゆく」があれば、景色に飽きたときも楽しめますよ。

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