先日、兵庫県を走っていたら、いつもの「たいこ弁当」(お返答や惣菜を売っていて、店内でも飲食できる店…「本陣」という仕出し屋さんが展開)の様子が変なのに気づきました。今日は休みかと思ったものの、よく考えたらその日は日曜日。普通はお休みしないはず。店員の研修だとか、慰安旅行かとも考えてみましたが、どうもよくわかりません。そこからまた何十キロか走ったら、またここの店舗も閉まっている様子。
どうやら倒産したらしい。翌日、3店舗目の店を覗いてみました。生野店です。ふつう営業していない店舗では駐車場もロープを張るなりして入れないようにしているはずなのですが、ロープもバリケードもありません。店の入り口には、A42枚に倒産したという会社の説明と、管財人である弁護士の説明書きとが貼られていました。日付を見ると、1月末に事業を停止したらしい。もうふた月もたっているというのに、店の中はテーブルや椅子も、ポップもそのままで、これから開店準備を始めるころのよう。買ったお惣菜を温める電子レンジは電源コードもコンセントに刺さったまま。国道を走るクルマによく見えるように道路際に置かれた看板も営業時のまま。私のように、営業中と思って入ってくるクルマも多いに違いない。ある日突然…。破産とか倒産とかいうものはこんな姿なんでしょう。
神戸新聞社の電子新聞サービス、神戸新聞NEXTによれば、「本陣」の事業停止そして自己破産手続きに入るのが2017年1月31日。帝国データバンクの情報では負債総額は21億円だそうです。さらに、同じ神戸新聞NEXT、2015年6月16日の記事には、「本陣」は、2015年7月に仕出し弁当の製造・販売から撤退する方針、直営弁当店「たいこ弁当」の運営に絞り、事業の立て直しを図ると書かれています。
過去に私がこのブログで書いた記事を読み返すと、2009年の記事では「たいこ弁当」が40店舗近くあったと書いています。それが、2015年では24店舗(神戸新聞NEXT)、倒産した2017年1月で19店舗(神戸新聞NEXT)。どんどん縮小してきたわけですね。傾いた理由は、コンビニとの競合や法事向け需要の減少だと記事には書かれています。
1972年に仕出し料理店として創業、81年には国道沿いで「たいこ弁当」をスタートさせて、播州あたりではちょっと名の知れた「本陣」。コンビニという潮の流れに勝てなかったわけですね。
ちょっと寂しい気持ちになったのでした。
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