前の記事では、どちらかと言うとスウエーデン側から書きました。
しかし、それは刺身のツマにすぎません。
要は、終わった話でトルコにとってはどっちでも良かったんです。
その前にヨーロッパの地政学を激変させるような事が起きています。
今回のNATOの首脳会談の前に、ある出来事がありました。
トルコのエルドアン大統領が誰かを(多分、非公式に)招きました。
ウクライナのゼレンスキー大統領です。
会談後、エルドアン大統領はウクライナ支持と将来のウクライナのNATO加盟を支持する事を明確にしました。
これまでトルコは、ロシアとウクライナに対して中立に近い立場でした。エルドアン大統領とプーチン大統領は親しい間柄です。これまでトルコは、両国の仲介者として振舞ってきました。
トルコが、ウクライナのNATO加盟を認めて支持する事はロシアにとっては、最大の裏切り行為です。トルコが反対すればウクライナは、NATOに加盟できません。それがプーチン大統領の願望であったと思います。何としてもウクライナのNATO加盟だけは、阻止したかったでしょう。それは、あっさりと覆されました。
更に、おまけがあります。
トルコは、アゾフ連隊の捕虜を戦争終了までトルコ国内に留める・と言う約束事の下にトルコ国内に引き取り保護していました。その約束を一部反故にしてアゾフ連隊の幹部5人を、ウクライナに引き渡し5人はゼレンスキー大統領の帰国の飛行機に同乗してウクライナに帰国を果たしました。
アゾフ連隊には、毀誉褒貶があります。しかし、ウクライナでは国の誇りと言うべき英雄部隊です。その幹部5人をわざわざ、ゼレンスキー大統領とともに帰国させたのは、ロシアに対する最大の嫌味です。国の英雄が帰国すれば、ウクライナ国民は大喜びしますし、一層団結心が高まるでしょう。
つまり、この時点でスウエーデンンのNATO加盟はトルコにとって、どっちでもよい問題になっていたのです。
これまで、あやふやな態度をとっていたトルコは明確にNATOの一員であることを宣言し、ウクライナ支持を打ち出しました。トルコは、ロシアと親しい関係にあるが今後は仲間ではない!と明確に宣言しました。
ウクライナ支持とウクライナの将来のNATO加盟支持からスウエーデンンのNATO加盟承認までは、72時間の間に起こりました。
そのきっかけとなった事件は?
ワグネルの武装蜂起とその後のロシア政府のあいまいな対応です。
つまり、トルコの大統領はプーチン氏が政治権力を失いつつあると判断してロシアを見限ったことになります。見限る以上は、NATOの一員であることを明確に宣言する必要があります。そうであるなら過去の怨念を捨ててスウエーデンンのNATO加盟を認めなければ、なりません。その後は、条件闘争するだけです。
こうしてヨーロッパの地政学は、大激変しました。
バルト海は、NATOの海となり・・
NATOの南のかなめのトルコは、NATOの一員に戻りました。ロシアは、南と北からNATOによりしっかりと封じ込められました。戦争が終われば更にウクライナがNATOに加盟することも既定路線です。ロシアの「最大の!」悪夢が完成した瞬間でした。プーチン氏の夢物語(大ロシア圏の再興)の結末は、ロシアの「最大の!」悪夢として完結しました。
その原因となったのは、ワグネルの武装蜂起事件です。
ワグネルの武装蜂起を鎮圧できずに裏取引で胡麻化したことは、ロシアの対外的な信用を大きく傷つけました。
※ネタ記事
エルドアンの賛成でNATOまた拡大、見限られたプーチン
2023年7月12日(水)18時10分
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2023/07/nato-70_1.php
※ほぼ、パクリでしたけれど?面白かったでしょう?