「北の山・じろう」時事日記

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ロシア軍が南部ドネツク作戦を発動<ウクライナ紛争2024/09/03

2024-09-03 17:48:41 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

2024.09.3
ドネツク州ヴフレダル周辺で状況が悪化、ロシア軍が8日間で10km前進
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/situation-worsens-near-vhledar-in-donetsk-region-as-russian-troops-advance-10km-in-eight-days/

南ドネツクは、大雑把に3つの戦場があります。

(1)マリンカMar'inkaからクラホヴェKurakhoveに向かうどちらかと言うと北側の戦場

(2)ヴフレダルVuhledarを中心とする南東部の戦場

(3)ヴェリカ・ノボシルカVelyka Novosilkaを中心とするドネツク南西部の戦場
※ウクライナ軍が、2023年攻めたのがここです。ここを起点に南に攻めようとしました。途中でロシア軍が防衛して失敗しました。


現在は、ポクロウシクPokrovsk~セリダブSelydove~カルリブカKarlivka方面からルートE-50を超えて北から南に攻めています。
(1)マリンカMar'inkaからクラホヴェKurakhoveのやや北側です。
しかし、ここを攻撃することにより(2)のヴフレダルVuhledar方面は補給が相当苦しくなっています。

それを見越してロシア軍は、ヴフレダルVuhledar方面の攻撃を開始しました。
その準備段階としてマリンカMar'inkaからヴフレダルVuhledarの間でかなり西に進撃していました。

ヴフレダルVuhledarは東南ドネツク最強の難攻不落の要塞です。これまでこの方面のロシア軍の進撃を防いできました。2023年の2月ごろに、ロシア軍はこの要塞を単純に攻撃した大損害を出して西側からは笑いものになりロシア国内からは大批判されました。
ロシア軍が馬鹿で無能だという評判は、ここで完成したと思います。誰が見てもバカすぎる攻撃でした。
大損害を出した挙句に尻尾を巻いて逃げ出しました。
それ以来、この要塞はほとんど攻めていないと思います。
探してみると、ウイキペデイアにも出ていました。
ヴフレダールの戦い
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%80%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%81%AE%E6%88%A6%E3%81%84

まともに攻めては無理なので、今回は知恵を使っています。

今回は、その南のロシア側の拠点のパヴリウカPavlivkaから西にあるプレチステイフカPrechystivkaに向かって攻撃して制圧したようです。合計すると10kmくらい短期間(8日間)に進撃しましたから、補給が苦しくなって弱ってきたところを一気に攻めたみたいです。
そして、その北にあるノボウクラインカНовоукраїнкаを集中的に砲撃しているようです。

略図を見ると分かりやすいですが難攻不落の要塞のヴフレダルVuhledarを大きく西から包囲しようという流れです。
まともに攻めても損害が大きいばかりなので遠くから包囲して、日干しにしようという作戦です。
ヴフレダルVuhledarの北東方向でもロシア軍が呼応して包囲する体制に入っています。周辺のウクライナ軍が相当弱っているので多分、成功すると思います。
日干しか撤退か、どちらかですね❓

しかも、これだけでは終わりません。
パヴリウカPavlivkaからルートT-0509を西に行くと(3)ヴェリカ・ノボシルカVelyka Novosilkaがあります。
現在ロシア軍が支配しているスタロマイオルケStaromaiors'keとウロジャインUrozhaineから北に10km位行くとヴェリカ・ノボシルカです。
すぐ北のマカリフカを集中的に砲撃しているという事ですから、スタロマイオルケStaromaiors'keからヴェリカ・ノボシルカVelyka Novosilkaに向かっての攻撃も始まったようです。

つまり❓
(1)(2)(3)全方面からロシア軍が南ドネツク攻撃を開始したと言うことになります。
略図の2枚目を見ると大体ロシア軍の目標範囲が分かります。一番上の東西に長い大きな貯水池が、マリンカMar'inkaの西に当たります。
相当、広い地域でしょう❓

ロシア軍のポクロウシクPokrovsk方面への進出を許したことが、これだけ広い面積をロシア軍が攻撃するチャンスを与えたことになります。

このようなリスクを放置してウクライナ参謀本部は、クルスク侵攻作戦に全力投球しました。
今更、どうにもなりません。
ロシア軍が、このようなビッグ・チャンス!を逃すはずもありません。

中部ドネツクと南部ドネツクは、もう終わりです。

※記事のコメント欄を見ると相当ピントのずれたことを書いています。

防衛ラインを完全に突破されるとどうなるかは、ポクロウシクPokrovsk戦線で見た通りです。
防衛が不可能になり、毎日kmの単位で進撃されます。
止めようがなくなります。
北の方にあるポクロウシクPokrovskは既にロシア軍が肉薄していて防衛ラインにはなりません。
南ドネツクでは、現在の前線にある防衛ラインを突破されるとドネツク州内では、ロシア軍の進撃を止めることが出来ません。
ザポリージャ州の方に撤退するしかないと思います。


※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑥
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27



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