ドイツ経済は、現在長期的な低迷期に入りつつあると言えそうです。その事情を書いた記事。
川口 マーン 惠美
国外逃避が止まらない…!「電気代が異常に高い」ドイツがいま陥っている「産業の空洞化」と「雇用の喪失」
2024.08.23
https://gendai.media/articles/-/136003
2024.08.10
脱炭素に踊らされたドイツの「悲惨すぎる末路」…国際競争力が地に落ち、産業の空洞化も深刻、過度な中国依存が裏目に
https://gendai.media/articles/-/135377
政治的に経済的にドイツを知りたければ、川口 マーン 惠美さんの投稿記事を読むのが一番わかりやすいと思います。
ドイツの大学を卒業後、どの時点かでドイツ人と結婚してドイツ生活が長いです。そして作家の目から批判的にドイツを見ています。
歯がゆいんでしょうね❓
ドイツは、もっと素晴らしい国なのにドウシテダメなの❓
そのダメの原因を分かりやすく批判しています。
ある部分では、平成大バブルに酔いしれてその後、長期の低迷期に入り衰退した日本とよく似ているような気がします。
簡単に言うとメルケル長期政権が、ドイツの社会と経済をダメにしたと言っていいと思います。
メルケル
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%B2%E3%83%A9%E3%83%BB%E3%83%A1%E3%83%AB%E3%82%B1%E3%83%AB
2005年9月キリスト民主同盟が総選挙で勝利して首相になります。
2021年総選挙で敗北して首相の座を失いました。
ただ最初の組閣でキリスト民主同盟単独では組閣できず、第2党であるSPD・緑の党などと連立を組みます。
この点に今のドイツが抱えている問題点を内蔵することになりました。
メルケル時代は、EUとドイツが比較的上手くいっていた時代です。ドイツも経済的に成長を続けました。
SPD・緑の党と連立を組んだために妥協したのが、環境政策です。
緑の党の党是である脱原発が社会に浸透していきました。
メルケルもその政策に引きずり込まれます。
そして、ついに脱原発が法律的に成立し脱原発ロードをドイツ社会全体が歩み始めます。
しかし緑の党が主張した脱原発は、単なるスローガンであり経済的合理性も妥当性もありませんでした。「脱原発=絶対正義」と言うスローガンしかありません。
この時代は左派と環境保護派がドイツで大きな勢力を持っていました。だから脱原発にマスコミも市民も全員賛成のようになりました。特にマスコミは熱心にこれを応援したようです。
しかし、そもそも経済的な合理性も妥当性もない単なるスローガンですから、たちまち行き詰まります。
原発の大容量エネルギーを不安定な自然エネルギーに置き換えれるのは不可能なほどに困難なことでした。
以後、ドイツの電気代は高騰を続け、ウクライナ紛争が完全に脱原発の非合理を証明しました。
足りない分を補っていたロシア産の天然ガスを失うと大幅に割高なアメリカとノルウェーの液化天然ガスを買うしかありません。
こうして一層、ドイツの電気代は高騰しました。
そして最後に残っていた原発の冷却塔を爆破してドイツの原発は、終わりを告げました。
残ったのは❓
ヨーロッパ一高い電気代です。
これを今後長きにわたりドイツ企業とドイツ国民が負担し続けます。
環境テロともいうべきドイツの脱原発は、こうして完結しました。
世界で唯一原発を否定するドイツに明るい未来は描けません。
長くなるのでこれだけにしますが、ドイツのエネルギー政策がドイツ経済を破壊しつつあると言えます。
その手段が、脱原発です。
福島第1原発事故は世界に衝撃を与えました。
世界の国々は新規の原発導入に慎重になったことは事実です。
しかし時間をおいて冷静に考えた結果、ドイツ以外の国々は原発の新設または導入を決定しています。
原発の新・増設は世界の流れです。
安定した大容量の電力供給の手段は、原発か石炭火力しかありません。これは商用原発が導入された当時と同じです。原発に代わる大容量発電の技術は、まだ開発されていません。
ドイツは、ドイツ経済に対して自爆テロを敢行したと言えます。
そして脱原発がエネルギー政策として完全に誤っていることも証明してくれました。
それでも尚、脱原発にすがり続ける緑の党を始めとする環境左派は、ドイツ経済を破壊するテロリストです。
ドイツ経済の長期低迷を脱原発の部分から見てみました。
他にも原因は多々ありますが、今回は疲れたのでこれで終わり。
※日本の場合を考えてみて下さい。
もう社会実験として完全な失敗に終わった脱原発を政策にしている野党は、結構あると思います。
もし脱原発をエネルギー政策として採用したなら日本経済の没落に大いに貢献するのは、間違いありません。
そんな政策に賛成できますか❓
川口 マーン 惠美の投稿記事や著作は、そのことを小説風に分かりやすく教えてくれます。
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項目「ヨーロッパ」の目次②
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