最初は、アメリカ主導で始まった経済圏構想です。日本では最初は農業分野を中心に大反対が起きました。今でも地方の農協には、「TPP断固反対!」の垂れ幕がかかっているかもしれません。
要は、アメリカに経済侵略される事が非常に警戒されました。もちろん、アメリカの目的はその通りだったと思います。日本国内の反対の大合唱を無視して政府は、TPP参加を推し進めました。
ところが?
大統領がトランプになると、アメリカは離脱してしまいました。残った参加予定国は、スケジュールの通り構想を進めて環太平洋連携協定(TPP)が成立し今に至っています。
アメリカが離脱したことが、かえって良かったんでしょうね?TPPを経済的支配に利用しようと考える国は、なくなりました。太平洋の中小国家の経済圏としては、むしろ好ましかったと思います。
今回、ユーロを離脱したイギリスの加盟申請が認められて初めてのヨーロッパ圏からの参加国が出現しました。ウクライナも参加を申請しています。ユーロよりTPPの方が加入条件は、はるかに緩やかだからです。ウクライナにしても特に農産物については、販路を広げられるメリットもありますし、経済発展の著しいアジア・太平洋地域との経済的なつながりを築くことは大きなメリットがあると思います。
ウクライナの農産物はユーロ市場からは排除されています。ウクライナは、今どこの経済圏にも加盟していません。だから、TPPの加入を考えたのであろうと思います。
現在、加盟申請をしているのはウクライナのほかに・・
中国、台湾、エクアドル、コスタリカ、ウルグアイです。
やはり環太平洋の小国が多いです。ここにやがてヨーロッパの国々も参加するようになるかもしれません。
その流れが継続していけば、やがてTPPは中小国家の経済圏として世界的な広がりを持つようになるのかもしれません。
アメリカや中国やロシアやインドのような超大国のいない経済圏の方が、参加国にとっては経済的な侵略をうけないという意味で安心感があります。
アメリカが始めてトランプの気まぐれで放り投げてしまったTPPは、広域の中小国家の経済圏として発展して行く可能性を秘めています。ヨーロッパの国々の参加が増えて行けば、その流れが強まるのではないかと思います。
囲い込みを目的とせず排他的でない経済圏は、世界を見てもありません。政治的な影響力の拡大を目的としたり排他的であったりするものだけです。そうではない、新しい形の経済圏を目指せば参加する国も徐々に増えるのかもしれません。
思いがけない?
「瓢箪から駒」かも?