2023年9月11日 21:58
ウクライナがクリミア付近の海洋石油・ガス掘削施設奪還とのニュース<ウクライナ紛争2023年9月
https://smcb.jp/diaries/9130004
始まりは、「ボイコ・タワーズ」(ガス・石油掘削海洋プラットフォーム)奪還作戦でした。
奪還したというよりロシア軍を排除したと言うのがより正しいと思います。場所は、スネーク島の東50kmくらいにあるオデーサの南西の海域にあります。
ロシア軍は、ここにレーダー監視装置を設置してオデーサ沖合の海域を監視していました。クリミアのレーダーと2か所で監視していました。「ボイコ・タワーズ」のレーダーを破壊されるとクリミア1か所になります。半分になるわけですから監視能力も半減します。
そうしておいて、ウクライナ軍が2か所で大規模攻撃を実行しました。
①ウクライナ、セバストポリの艦船修理工場に大規模攻撃 火災発生、24人負傷
2023.09.13 Wed posted at 19:40 JST
https://www.cnn.co.jp/world/35209073.html
②クリミア半島でロシア軍の防空システム破壊 ウクライナ保安局
2023.09.15 Fri posted at 06:22 JST
https://www.cnn.co.jp/world/35209134.html
※これが、セバストポリのオルジョニキーゼ艦船修理工場を攻撃した時の映像だそうです。
Ukraine strikes Russia’s Black Sea fleet in major attack
https://www.youtube.com/watch?v=7n-CzWZzNi8
レーダーや防空システムを破壊するほど、ドローンなどの攻撃が効果的になります。ウクライナ軍は、クリミアに届くミサイルを持っていますからミサイル攻撃の防衛もしにくくなります。
ウクライナの東部戦線と南部戦線に気を取られていたロシア軍は、虚を突かれる形になりました。と言って、都市防衛ミサイルシステムは結構、大型ですし数もそう沢山はないと思います。すぐ代わりを送り込むのも難しいし時間も必要だと思います。
今回は、西の沿岸のエフパトリアЕвпаторияを巡航ミサイル「ネプチューン」とドローン(無人機)を使って防空システム「トライアンフ」を破壊したようです。
レーダーの監視網が徐々に狭まれば、更にクリミアの東や南も攻撃しやすくなると思います。レーダーの監視網が狭まれば、ドローンやミサイル攻撃を防御しにくくなります。
一連のウクライナ軍のクリミア攻撃は、周到に計画された攻撃であることが分かります。これが始まりであり、今後も続くと思われます。
ウクライナ軍の目的は、クリミアを攻撃することでロシア軍を分散させる目的の他に、クリミアの後方基地としての機能を阻害するのも大きな目的だと思います。
南部戦線のロシア軍の補給は、クリミア経由の分が多いからです。単純にクリミアの軍事物資の補給分を破壊するだけで南部ロシア軍への補給は、減少します。
今、激戦の最中の南部戦線でロシア軍の補給が滞り減少すれば、どうなるか?
ウクライナ軍の反撃作戦の第2弾は、クリミアの補給基地を攻撃する事でした。そして、この攻撃は季節に関係なく継続できます。「地面がぬかるんできたから一服・・」は、ないんです。
ウクライナ人道危機救援金 - 日本赤十字社
https://www.jrc.or.jp/contribute/help/ukraine/