「北の山・じろう」日記

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ウクライナ兵が語る地獄の戦場ドニプロ川東岸の戦い(BBC)と今後の見通し<ウクライナ紛争2023.12.08

2023-12-09 01:14:04 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

兵士の数も武器の数もロシア軍に劣る……「地獄」の前線、ウクライナ兵がBBCに証言
2023年12月7日
ジェイムズ・ウォーターハウス、BBCウクライナ特派員
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-67610878

BBCウクライナ特派員が現地のウクライナ兵から証言を得て記事にしています。詳しくは、記事をお読みください。

私が知りたかったのは、このドニプロ川渡河作戦が予め計画されていたのか、急遽決められたのかです。
どうやら事前の準備なしに急遽決定され実行されたようです。そうなると実行した理由も推測できます。

ザルジニー最高司令官とゼレンスキー氏の対立です。
ザルジニー氏は、反撃作戦は失敗であり現在戦局は膠着状態にあると英誌エコノミストに手記を寄稿しました。

『ウクライナ軍総司令官が危機感、戦局こう着でロシア軍再建の時間与える恐れ』
2023年11月2日午前 8:31 GMT+91ヶ月前更新
https://jp.reuters.com/world/ukraine/TAXDGIW2CJJRBHHFNZ5PPSNQNI-2023-11-01/

ゼレンスキー氏はこれを否定し「戦局は膠着状態ではない」と強く反発しました。「ウクライナ軍は、攻撃中である」と言うつまらない事実を作り出すために実行された作戦である可能性があります。(と言うより、それが目的であろうと思います。)

そして大統領府は、この攻撃を自画自賛して「クリミアまでの70%の距離を奪還した」と言うような発言をしました。まるで、来年はクリミアの奪還が出来るとでも言っているかのようです。
実際には、東岸にへばりついて数km~5km程度狭い地域を確保しているだけです。それ以上、前進する目途は今のところ立ちません。

ほぼやるだけ無駄な作戦です。こんな小規模な作戦でも人員の損傷は出ますし、砲弾やミサイルも無駄に使用しなければ、なりません。兵士にとっては、何の希望もない無意味な地獄の戦場です。
「やっています!」と言う以外に、何の目的もないからです。

南部戦線も同じですね❓
もう完全に前線は膠着状態にあり、反撃作戦が失敗したのは明らかです。

ところがウクライナの大統領府は、ウクライナ軍が活発に行動し戦果が上がっているように見せかけようとします。支援国から援助を引き出すためです。

こうやって無駄に人員を振り向け武器弾薬を浪費しているうちに、東部戦線ではウクライナ軍が押され気味の戦いが続いています。

おそらくこんな調子でロシア軍と戦えば、アウディイウカАвдіївкаは陥落する可能性が高いと思います。
これまで近い地域でロシア軍のドネツク州での西への前進を阻んできたドネツク市西にあるウクライナ軍の軍事拠点のマリンカMar'inkaは、ほぼロシア軍が制圧しています。

ドネツク州でロシア軍の西への進撃を防いできた二つの主要な拠点が陥落すれば、ロシア軍がドネツク州の西に進撃しやすくなるのは、誰にでも分かります。だからロシア軍は、この二つの拠点を春から攻撃し続けてきました。

そのような激戦地域を軽視して、見せかけのためにほかの地域の攻撃に戦力を投入すれば、結果はより悪くなります。

その上、バフムトやハルキウ州クピャンスクКуп'янськ方面でもロシア軍が圧力を強めつつあります。

現在の戦況の現状認識が出来ず、兵力や兵器の適切な配備が出来なければ、各方面で少しづつ劣勢になると思います。

アウディイウカАвдіївкаとマリンカMar'inkaについては、ウクライナ軍は致命的ともいえる誤りを犯しています。大統領と参謀本部が分裂してまともな作戦計画も立てられなければ、前線の兵士がいくら頑張ろうとロシア軍の物量の前に徐々に敗勢が強くなると思います。

大統領府と参謀本部は、軍の頭脳としての機能を失っているように見えます。

このままでは、どの前線かでロシア軍の圧力に耐えられなくなるところが出てくると思います。そこから大きく戦局が動くかもしれません。去年のロシア軍のハルキウ州での大敗北のような事が起きなければ、いいが・・と思います。

そうなる可能性は、少なくはないように見えます。

 

カテゴリー 『中立の視点で見るウクライナ紛争』
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