2024.08.16
ロシア軍がポクロウシク市に急速接近、軍政長官が住民に避難を呼びかける
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/russian-troops-rapidly-approach-pokrovsk-city-military-governor-urges-residents-to-evacuate/
ウクライナ軍の作戦を見ていると、ほぼドネツク州は放棄したかのように見えます。
そうでなければ危機的な状況にあるドネツク中部戦線に援軍を送り防衛しようとするでしょう。
実は、この傾向はハルキウ州北部戦線でも見られました。
劣勢にある東部戦線から部隊を引き抜いてハルキウに送り込みました。
その意図は、ドネツク州は軽視すると言うことです。
もう守ってもじり貧だから守ったふりをして放棄する心算なのであろうと思います。
クススク州侵攻作戦を開始しては、その意図は明確になったと言えます。
一人の独裁者が、このような国の大事を決定しました。
何故、そうするかです。
理由は、記事のコメント欄の「赤狐」さんのコメントを読むと分かりやすいかもしれません。
結局のところ今のキエフ政権は、2014年クーデターで西ウクライナの過激民族主義者が政権を簒奪したことが始まりです。
ほとんどの人が誤解していることは、地図上のウクライナは一つの国ではありません。
大雑把に西ウクライナと東ウクライナ&南ウクライナに分かれます。
東ウクライナ&南ウクライナはロシア帝国時代からのロシア領でありロシア系住民も多いですし、親ロシアの感情の強い地域です。
西ウクライナは全然違う国です。
ここがウクライナの過激民族主義の発祥の地であり、今もウクライナの過激民族主義が多く住んでします。
やや時代をさかのぼるとハプスブルグ家のオーストリアの領土であり、その後ポーランド領になりました。
生い立ちが全然違います。言語・宗教・風習全部違います。そして何より第2次世界大戦では、ナチスドイツ側に立って旧ソ連と戦った過去があります。
当然、忌まわしい過去もあります。
①ウクライナ軍事組織
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8A%E8%BB%8D%E4%BA%8B%E7%B5%84%E7%B9%94
②ウクライナ蜂起軍
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8A%E8%9C%82%E8%B5%B7%E8%BB%8D
この西ウクライナを第2次世界大戦がスターリンが、ポーランドに強要してソ連に割譲させました。この時から西ウクライナはソ連領になりました。
その西ウクライナの過激民族主義者がクーデターで政権を簒奪した以上、ウクライナ全土の「西」ウクライナ化を強行します。
これに反発して東部の親ロシア派勢力が立ち上がりドンバス戦争が起こりました。これは内戦です。
それが激化した結果、起きたのが現在のウクライナ紛争です。
西ウクライナの過激民族主義者が政権を奪取した後は、親ロシア派の多い東部や南部を弾圧支配しました。
当然差別しますし迫害します。
これを実行したのが新興財閥が組織した極右民兵組織です。当然、最初はネオナチも沢山混じっていました。
これを逃れて随分たくさんの住民がロシア領に逃れました。ロシア領に逃れたウクライナ国民は、累計で500万人程度だと思います。
こんなこと、全然知らない人が多いでしょう❓
何故、それが表に出ないか❓
西側がプロパガンダとフェイクニュースで誤魔化すからです。と言って、私が書いた経緯はオープンソースの情報で探せば見ることが出来ます。
その程度のこともしないでプロパガンダとフェイクニュースを信じ込んでいる人は実に多いです。
日本政府も主要マスコミも、せっせと欧米のプロパガンダとフェイクニュースを拡散しているからです。
今のキエフ政府(ゼレンスキー)は過激民族主義者が中心でウクライナの政治と社会を支配しています。
だからウクライナから聞こえてくる声は、ほぼ過激民族主義者のプロパガンダとフェイクニュースに過ぎません。
こう考えてくると今のキエフ政府にとって、東ウクライナや南ウクライナは植民地のような感覚だと思います。
だからドネツク州でロシア軍に勝てそうもなければ、捨てる発想が出てきます。
そうあからさまに言ってしまえば、流石に都合悪いですから、クルスク侵攻作戦を大々的にアピールしてドネツク放棄を消してしまおうとしているのであろうと思います。
ウクライナ国民(西ウクライナ)は、今回のクルスク侵攻作戦に熱狂しているようです。ゼレンスキー万歳になりました。
領土割譲付きの和平論など、どこかに吹き飛びました。
ゼレンスキーの支持率も急上昇です。
ライバルのザルジニーを蹴落とすのも忘れません。
『ノルドストリーム爆破事件の容疑者、その後<ウクライナ紛争2024/08/15』
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/2aaa4428e8d020636a7239505bed4849
ただし、ここに問題があります。
ウクライナ国民(西ウクライナ)がゼレンスキーを支持するのは、ロシアから奪ったクルスク州の領土を確保するのが条件だと思います。ドネツクを放棄するなら代償が必要でしょう❓
代償(クルスク州の領土を確保)もなしに、ドネツク州を放棄してしまえば、さすがのウクライナ国民(西ウクライナ)も激怒すると思います。
だからゼレンスキーは、クルスク侵攻作戦を成功させるために兵力を注ぎ込み続けるしかありません。
ここでロシアと持久戦になってしまえば、増援部隊の来ない東部戦線はロシアの削りたい放題になるでしょう。
クルスク侵攻作戦に深入りするほど、ウクライナの敗勢が早まるような気がします。
もちろん、クルスク州でロシア軍に勝てれば問題はありません。(ドネツク放棄付き)
果たして、こんなバカげた作戦をやっていていいのかとは思いますが❓
全能の独裁者のゼレンスキーのやることに間違いはないのだろうと思います❓❓
大体、このような事情であろうと思います。
またもや軍事的合理性にかけるゼレンスキー作戦が発動されてしまいました。
(自分の保身以外、なにもありません)
※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑥
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27