「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

(インド)ヒンドゥー至上主義による民主主義の危機<2023年9月

2023-09-09 18:57:38 | 東南アジア~西アジア

湊一樹編『インドのポピュリズム モーディー政権下の「世界最大の民主主義」』調査研究
報告書 アジア経済研究所 2021 年
27
第 2 章
モーディー政権下で進行する民主主義の後退
――ヒンドゥー至上主義と多数派主義――
https://www.ide.go.jp/library/Japanese/Publish/Reports/InterimReport/2020/pdf/2020_2_40_004_ch02.pdf

詳しくは、上記をお読みください。
『2014 年 5 月にナレーンドラ・モーディー首相率いるインド人民党(BJP)政権が成立して以降、インドの国是ともいうべき「政教分離主義」(secularism)の理念は、はるか後景に退き、それに代わってヒンドゥー至上主義が政治の中心的空間を占めるようになった。』
『「メディア、市民社会、野党勢力が自由に活動できる領域がモーディー政権下で極端に狭まっており、インドは民主主義のカテゴリーから脱落する寸前にある」』

このような状況にありかなり強権的な政治で民主主義と法治主義の後退が見られます。モーディー首相の独裁とも言える状況が生じています。

最近は、それを対外的にも示そうとする動きも見られます。

トップニュース
2023年9月6日2:32 午後Updated 3時間前
インド、国名を「バーラト」と表記 G20晩餐会招待状が物議
https://jp.reuters.com/article/g20-summit-india-name-idJPKBN30C09F

インドが、以前の民主主義的国家であると思ったらそれは間違いで、かなりモーディー独裁政権に近い状況になりつつあるという点を見るべきだと思います。

やり方が中国やロシアとは、違うだけで本質的には共通の部分があります。言論の自由を大幅に制限し、法治主義からの逸脱がある以上、民主主義の基本からは、かなり逸脱しています。インドは、ネット遮断の一番多い国です。

マハトマ・ガンディー
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%8F%E3%83%88%E3%83%9E%E3%83%BB%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC

少なくともガンジー主義のイメージの、非暴力と平和主義は今のインドには、ありません。ヒンドゥー至上主義独裁と民主主義の瀬戸際の境界線にいます。今の政治状況が継続すれば、独裁国家に変質するかもしれません。

インドは、BRICSに参加しています。
ワールド
2023年8月24日5:11 午後Updated 15日前
BRICS、サウジなど6カ国が来年加盟 歴史的拡大と習中国主席
https://jp.reuters.com/article/brics-summit-ramaphosa-idJPKBN2ZZ0JI
写真
https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO3758544025082023000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=1276&h=842&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=c182f419a520b3e51100c08021f92a39

モーディー首相の衣装は、かなり異質に見えますね。インドをことさら強調しています。そして、BRICSを主宰するのは、中国です。そこにも参加しつつ?

「グローバルサウスの声サミット」を開催しています。こちらは、インドが中心です。
『「グローバルサウス」を強調し始めたインド 』
https://www.spf.org/iina/articles/toru_ito_12.html

その一方で?
日米豪印戦略対話
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E7%B1%B3%E8%B1%AA%E5%8D%B0%E6%88%A6%E7%95%A5%E5%AF%BE%E8%A9%B1
Quad(クアッド)にも参加しています。

八歩美人的二股三股外交を展開しつつ、インドが盟主となる「グローバルサウスの声サミット」を形成しようともしています。

まさに、魑魅魍魎の国際政治の中心にいるのがインドです。どっちを向いているかと言えば、本音はインド中心の何らかの国際的な枠組みを作りたいのでしょうね。中国と大して、変わらないと言うことです。むしろ、今後・中国化するのかもしれません。

※インドは、特に西側の立場でもなく中国と対抗するために西側の力を利用しているというだけです。
ウクライナ問題では中立のような振りをして、実際にはロシアからガスや原油を大量に買い付けていますし、武器も購入していると思います。
西側にとって、そう頼りになる相手ではありません。中国と敵対しているのが、役に立つというだけです。

そう考えると、Quad(クアッド)でインドに深入りするのは、考え物であることになります。

インドは自国の国益により外交をすると言うことでしょうね。

『モディ首相、ASEAN・インドサミットに出席』
(インド、ASEAN)2023年09月08日
https://www.jetro.go.jp/biznews/2023/09/4d8e4a89298c231d.html



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