「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

アメリカ軍のアフガン撤退作戦<2023・3・11

2023-04-06 18:00:40 | アメリカ合衆国

米軍のアフガニスタン撤退は「惨劇」、米議会公聴会で海兵隊員が涙の証言
2023年3月9日
https://www.bbc.com/japanese/64898705

「惨劇」と証言しています。
そこに作戦計画はありませんでした。
その前段階として、元オバマ大統領の判断の誤りがあります。
ウサーマ・ビン・ラーディン - Wikipedia
2011年アメリカ軍特殊部隊が暗殺しました。


パキスタン政府には連絡もなく、パキスタン領に不法侵入しました。アメリカ軍がやったという証拠も、しっかり残しました。そして、問答無用で射殺したことも判明しています。ほぼ国家テロと言っていいと思います。まず、この作戦を承認したオバマ元大統領の判断は大間違いだったことを指摘します。白昼堂々、不法に越境侵入して正規軍が暗殺行為を働くという、あり得ない前例を作りました。


つまり、この瞬間「何でもあり!」とアメリカ政府が宣言したのと同じです。

☆そもそも、ウサーマ・ビン・ラーディン - が何故、あれほどアメリカを憎むようになったか分かりますか?
ソ連の軍事侵略に対してアフガンのムジャーヒディーン - Wikipediaは祖国防衛戦争を行いました。アラブ義勇兵を代表する存在になったのが、ウサーマ・ビン・ラーディンです。アメリカは、CIAを通してムジャーヒディーンを支援しました。ロシア撤退後は、冷たくムジャーヒディーンとアラブ義勇兵を見捨てました。利用するときは都合よく利用し、用事がなくなったらボロ雑巾のように捨ててしまう。
だから、ウサーマ・ビン・ラーディンは徹底的にアメリカを敵視するようになりました。それどころか、敵に味方します。北部同盟にテコ入れし始めました。ウサーマ・ビン・ラーディンから見ると、ぼろ雑巾のように捨てられただけではありません。敵に回りました。だから、ウサーマ・ビン・ラーディンは、あれほどまでにアメリカを敵視するのです。そしてその思想的傾向は、アルカイダ系の組織に受け継がれました。

それは、パキスタン政府の離反を招きました。
パキスタンは、即・中国政府との関係を深め反米的な行動をとり始めます。

もし、これがなければ、アメリカ軍のアフガン撤退作戦は陸路パキスタン経由で行うことが出来たかもしれません。
あるいは、ダジキスタンへのルートを確保してタジクスタンを経由するとか方法を考えるべきでした。

撤退作戦には、計画性は何も見えません。
単に期日を決めて、逃げ出しただけです。
他の同盟国との連絡も不十分でした。
タリバンと合意するなら、もう少ししっかりと協議するべきだったでしょう。20年も軍政を行えば、協力者や関係者も沢山います。その多くを見捨てました。

ロシアですら、ウクライナのヘルソン市からの撤退作戦を行うのに、まずロシア派の市民を先に避難させました。ロシア軍が撤退したのは、最後でした。ロシア軍の作戦では、珍しく成功した例です。
しかし、民間人を伴う撤退作戦を実施する手順を示しています。

全部ダメ!の事例が、アメリカ軍のアフガン撤退です。
オバマ・トランプ・バイデン・全部、ダメです。

そもそもアフガン戦争する必要であったのかは、不明です。報復なら徹底的なアフガンの軍事施設や軍関係者の殺害で十分だったはずです。
湾岸戦争のアメリカ軍とアメリカ大統領の判断は、実に正確でした。クウェート領を回復しイラクに軍事的打撃を与えて、懲罰的な被害を与えてすぐ戦争を止めました。

ベトナム戦争の教訓、あるいはソ連のアフガン侵略の教訓。全部、忘れてしまったようです。アメリカもロシアも両方です。

そして、バイデン大統領はみじめな「アメリカ軍のアフガン撤退作戦」で大失敗しただけでは、ありません。
トランプですら、工事差し止めをしていたあるプロジェクトに、ゴーサインを出しました。

ドイツとロシアの間の天然ガスパイプライン・「ノルドストリーム2」の承認です。「ノルドストリーム1」が稼働した後は、ヨーロッパはロシア産ガスを大量に輸入するようになりました。ドイツに至っては50%強です。
「ノルドストリーム2」が、稼働し始めればヨーロッパの天然ガスは、全面的にロシアに依存していたでしょう。
この計画を推し進めたのが、前ドイツ首相のメルケルです。「ノルドストリーム2」は完成して、あとはガスを流すだけになっていました。

そのタイミングで、ロシアはウクライナ軍事侵略を開始しました。バイデン大統領は、ロシアに対して誤ったサインを出しました。「ノルドストリーム2」建設計画を凍結したままにしておけば、ロシアは軍事侵略の決定を見合せたかもしれません。

アメリカ軍のアフガン撤退作戦の大失敗
「ノルドストリーム2」建設計画の承認

この二つが、ロシアの判断を誤らせたのに50%くらいの原因があります。
もし、ロシア産のガスが「ノルドストリーム2」を通じてヨーロッパに流入した、今年ロシアがウクライナ侵略を開始していたら、その混乱は去年の比ではなかったでしょう。

ロシアに対して誤ったサインを出し続けたことが、結果としてロシアのウクライナ軍事侵略を招き寄せました。



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