北都留森林組合blog

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四万十通信メルマガ紹介

2006年01月19日 | Weblog
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(四万十通信)133
【中村林業事務所】

『木の産業づくりと森の再生プラン』への意見

            (中嶋健造・わしの里 元気村代表)
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■プランの考え方や構成ですが・・・、

 今まで取り組んできたことと、内容が変わっていないように思い
ます。「これまでの延長線上には、未来はない」との考えからの、
プランづくりが必要ではないでしょうか。大きい方向転換なしに、
木の産業(バイオマス産業)づくり、森の再生は難しいのではない
かと感じます。

 プランでは、木の産業づくりは、林業・木材産業の見方しか入
っていません。(若干の、観光面からのアクセスはありますが)
これでは、従来型といわれても仕方ありません。地域の農業や生活
産業、歴史とリンクさせた新たな利活用策(或は昔の利活用方法)、
そして、これらを地域システムとして考えていく必要があると思い
ます。

 行き詰まっている従来型は山村(木材産地)から都会(消費地)
へものや情報が一方通行の林業システムです。循環がなく、余分な
ものは簡単に廃棄され、一部の者のみが得をするシステム。これを
根本から変革し、ものと情報が循環し、無駄が少なく、小さい規模
でも維持されるようなシステムでないと、木の産業の再生はないの
ではないかと考えます。

 森林整備面も多面的機能を発揮させるための整備方法やステップ
はどうあるべきか。地質や地形、渓流や河川、植生という基本的な
ことや水源涵養力や土砂流出。このようなことと林業との関係を、
考慮され実施される必要があると思います。

 例えば、災害の少ない山とはこの地域ではどのような山なのか、
環境にやさしい森というのはどのような森なのか、そういう山や森
づくりは、どのようにして行うのか、昔の人はどのような工夫をし
ていたのか、等々。

 水源涵養力の維持、谷や川の保全、植生や動物との良好な関係、
野生動物の害獣化を少なくさせる等の研究や実験を工夫しながら、
実施すべきと思います。そういう方向性なしに軽々しく整備されて
しまうと、これまでの繰り返しになる危険が高いでしょう。

 そのような方向性やシステムがないままプランが作成され、これ
までの手法により木の産業づくりや森づくりが実施されることに、
非常に不安を感じます。

 「災害を受けた山を5年以内で復旧」という項目がありましたが、
安易に砂防や治山工事に走られるのは妙に不安です。きちんと自然
のあり様、起因・原因を見つめ、最もよい整備なりの方法を究明す
る姿勢を見せてほしいと思います。

 先にも少し述べましたが、このプランには、地域の文化・歴史、
生活という面からの検討や展開が盛り込まれていません。他の産業
との連携や地域循環システムとして考えていくことがキーではない
かと思います。

 ともかくこの素案は、生産性や効率追求型のプランといわざるを
えません。この手法は、近代日本を形作ってきたものには、間違い
ありませんが、現代の日本では、あらゆる産業、あらゆる社会生活
でひずみを引き起こし、行き詰まりの原因ともいわれています。

 スローな文化が復活してきているのも、この反省のためです。
「スローな産業」(文化・歴史・循環を大事にした産業)も次第に
形になってくるものと思います。その基礎になる伝統的な技術や
文化が高知にはまだまだ残っていると思いますが。


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【編集・発行】  高知県中村林業事務所
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